障害状態要件(神経系統の障害)

9.「神経系統の障害」の障害状態要件

※上記画像と本文の内容とは無関係です。

 

【目次】

9:神経系統の障害の障害状態要件

 

【注1】以下、根拠条文等について、次のように略記する場合があります。

・「節」は「障害認定基準」、「欄」は「診断書」を指すものとします。

 例1)「認定基準第3第1章第9節」→「第9節」

 例2)「肢体の障害用の診断書(様式120号の3)第11欄」→「第11欄」

  ※神経系統の障害の診断書は、現症時の障害の状態を最も的確に表わすものと考えられるものを選択します。

  ※脳卒中等による神経系統の障害の場合、病変部位ではなく障害部位に着目して様式を選択します。

  →脳の器質障害の場合、肢体用(様式120号の3)及び精神用(様式120号の4)を併用する場合もあります。

  ※複数の障害が併存する重複障害で請求する場合、様式の異なる複数の診断書を用いる場合があります。

  →診断書の様式が異なる場合、同種の記載欄の番号が本頁記載のものとは異なる場合があります。

【注2】本頁の例示は、認定基準の例示及び公開情報から推察し構築したものも含む場合があります。

 ※「公開情報」:障害年金の認定に関する専門家会合の議事録等。

 

9:神経系統の障害に係る障害状態要件

■神経系統の障害の原因となった請求傷病による障害の状態が、障害認定時期に政令別表に定める障害の程度に該当するものであること(国年令別表、厚年令別表第1、同第2、認定基準第3第1章第9節1)。

 

※「神経系統」:中枢神経(脳、脊髄)、末梢神経(脳神経、脊髄神経)及び自律神経(交感神経、副交感神経)。

※「中枢神経(脳)」:大脳、視床、視床下部、小脳、中脳、橋、延髄から成る。延髄に続いて脊髄がある。

※「神経系統の障害」:例えば、次のようなものがある。

 例1)脳の器質障害

  例1-1)高次脳機能障害(失行、失認、失語、知的障害等)

 例2)運動麻痺(片側の上肢と下肢に現れる「片麻痺」、一上肢又は一下肢のみに現れる「単麻痺」等)

 例3)精神障害(記憶力、記銘力の低下、情意失禁、人格変化等)

 例4)言語障害(失語症等)

 例5)眼の障害(視力障害、眼球の運動障害等)

 例6)聴力障害

 例7)認知障害

 例8)神経障害(疼痛)

  例8-1)四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛

  例8-2)脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛

  例8-3)根性疼痛

  例8-4)悪性新生物に随伴する疼痛

  例8-5)糖尿病性神経障害による激痛

※「神経系統の障害の原因となった請求傷病」:例えば、次のようなものがある。

 例1)脳血管障害(脳卒中)の原因となる「脳出血」、「脳梗塞」(脳塞栓、脳血栓)

 例2)脳血管障害(脳卒中)の原因又は結果としての「脳軟化症」

 例3)脳血管障害(脳卒中)の原因又は結果としての「脳腫瘍」

※「脳の器質障害」については、臨床症状が多岐に亘るため、神経障害(神経系統の障害に起因する身体機能障害や病状)と精神障害(知的障害、精神障害等)を区別できない。そこで、原則として諸症状を総合し、全体像から総合的に判断して障害の程度が判定される(第9節2(3))。

 

【1級】(神経系統の障害に係る障害の程度)

<1級相当の神経系統の障害(身体機能障害又は病状)>

●「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの」

 →障害等級1級9号(国年令別表1級9号、認定基準第3第1章第9節1)

 例)気管切開下で人工呼吸器(レスピレータ)使用、胃瘻等の恒久的措置が行われており、日常の用を弁ずることができない状態にあると認められるもの(認定基準第3第1章第9節2(4)イ)。

 

【2級】(神経系統の障害に係る障害の程度)

<2級相当の神経系統の障害(身体機能障害又は病状>

●「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」

 →障害等級2級15号(国年令別表第2級15号、認定基準第3第1章第9節1)

 

【3級】(神経系統の障害に係る障害の程度)

※「神経系統の障害」については、3級14号の認定はないが、3級12号、13号及び障害手当金の認定はありうる(認定基準第3第1章第9節1)。

※神経系統の障害のうち、神経障害(疼痛)については、3級が上限であり、1級又は2級の認定はない(同前)。

 

<3級相当の神経系統の障害(身体機能障害)>

●「身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」

 →障害等級3級12号(厚年令別表第1第12号、認定基準第3第1章第9節1)

 

<3級相当の神経系統の障害(神経障害)>

●「神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」

 →障害等級3級13号(厚年令別表第1第13号、認定基準第3第1章第9節1)

 例)次のような疼痛であって、かつ「軽易な労働以外の労働に常に支障のある程度のもの」(認定基準第3第1章第9節2(3)ア)。

 ・四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛

 ・脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛

 ・根性疼痛

 ・悪性新生物に随伴する疼痛

 ・糖尿病性神経障害による激痛

 

【障害手当金】(神経系統の障害に係る障害の程度)

<障害手当金相当の神経系統の障害(身体機能障害)>

●「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」

 →障害手当金21号(厚年令別表第2第21号、認定基準第3第1章第9節1)

 

<障害手当金相当の神経系統の障害(神経障害)>

●「神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」

 →障害手当金22号(厚年令別表第2第22号、認定基準第3第1章第9節1)

 例)次のような疼痛であって、かつ「一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時には労働に従事することができなくなり、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」(認定基準第3第1章第9節2(3)イ)。

 ・四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛

 ・脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛

 ・根性疼痛

 ・悪性新生物に随伴する疼痛

 ・糖尿病性神経障害による激痛