障害状態要件(体幹・脊柱機能障害)

7-3.「体幹・脊柱機能の障害」の障害状態要件

 

【目次】

<障害が「体幹又は脊柱」の範囲内に限られる場合>

7-3-1:体幹機能障害に係る障害状態要件

7-3-2:脊柱機能障害に係る障害状態要件

 

【注1】以下、根拠条文等について、次のように略記する場合があります。

・「節」は「障害認定基準」、「欄」は「診断書」を指すものとします。

 例1)「認定基準第3第1章第7節第3」→「第7節第3」

 例2)「肢体の障害用の診断書(様式120号の3)第11欄」→「第11欄」

  ※肢体の障害(体幹・脊柱機能障害)の場合、前記様式を用います。

  ※複数の障害が併存する重複障害で請求する場合、様式の異なる複数の診断書を用いる場合があります。

  →診断書の様式が異なる場合、同種の記載欄の番号が本頁記載のものとは異なる場合があります。

【注2】本頁の例示は、認定基準の例示及び公開情報から推察し構築したものも含む場合があります。

 ※「公開情報」:障害年金の認定に関する専門家会合の議事録等。

 

7-3-1:体幹機能障害に係る障害状態要件

■体幹の範囲内の機能障害の原因となった請求傷病(高度体幹麻痺を後遺した脊髄性小児麻痺、脳性麻痺等)による障害の状態が、障害認定時期に政令別表に定める障害の程度に該当するものであること(国年令別表、認定基準第3第1章第7節第3)。

 

【1級】(体幹機能障害に係る障害の程度)

<体幹機能障害による坐位保持不能又は起立不能>

●「体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上ることができない程度の障害を有するもの」すなわち、①腰掛、正座、あぐら及び横座りの全てが不能なもの、又は②臥位又は坐位から自力のみで立ち上れず、他人、柱、杖、その他の器物の介護又は補助によりはじめて立ち上がることができる程度のもの(認定基準第3第1章第7節第3の1・2(1)ア、併合判定参考表障害1号-7)。

 →障害等級1級8号(国年令別表第1級8号、認定基準第3第1章第7節第3の1、併合判定参考表障害1号-7)

 <体幹機能障害による坐位保持不能> 

 例1)体幹の機能に座っていることができない程度の障害を有するもの、すなわち、腰掛、正座、あぐら及び横座りの全てが不能なもの(第7節第3の2(1)ア前段、障害1号-7)。

 <体幹機能障害による起立不能>

 例2)立ち上ることができない程度の障害を有するもの、すなわち、臥位又は坐位から自力のみで立ち上れず、他人、柱、杖、その他の器物の介護又は補助によりはじめて立ち上がることができる程度のもの(第7節第3の2(1)ア後段、障害1号-7)。

 

<その他1級相当の体幹機能障害>

●「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの」

 →障害等級1級9号(国年令別表第1級9号、認定基準第3第1章第7節第3の1、併合判定参考表障害1号-8)

 例1)身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(第7節第3の1、障害1号-8)。

 

【2級】(体幹機能障害に係る障害の程度)

<体幹機能障害による歩行不能>

●「体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの」すなわち、室内では杖、松葉杖、その他の補助用具を使わず起立移動できるものの、野外ではこれらの補助用具の助けを借りる必要がある程度のもの。

 →障害等級2級14号(国年令別表第2級14号、認定基準第3第1章第7節第3の1・2(1)イ、併合判定参考表障害2号-6)

 

<その他2級相当の体幹機能障害>

●「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」

 →障害等級2級15号(国年令別表第2級15号、認定基準第3第1章第7節第3の1、併合判定参考表障害4号-7)

 例1)身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(第7節第3の1、障害4号-7)。

 

 

7-3-2:脊柱機能障害に係る障害状態要件

■脊柱の範囲内の機能障害の原因となった請求傷病(脊柱の脱臼骨折、強直性脊椎炎等)による障害の状態が、障害認定時期に政令別表に定める障害の程度に該当するものであること(国年令別表、厚年令別表第1、同令別表第2、認定基準第3第1章第7節第3)。

 

【2級】(脊柱機能障害に係る障害の程度)

<脊柱の荷重機能障害(支持機能障害)>

●「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」すなわち、概ね次の日常生活における動作が一人でできるが非常に不自由な場合又はこれに近い状態。

 →障害等級2級15号(国年令別表第2級15号、認定基準第3第1章第7節第3の1・2(2)ア尚書・イ、併合判定参考表障害4号-7)

 

※「日常生活における動作」(第7節第3の2(2)イ)

(1)ズボンの着脱(どのような姿勢でもよい)

(2)靴下を履く(どのような姿勢でもよい)

(3)座る(正座、横座り、胡坐、脚投げ出し)

(4)深くお辞儀(最敬礼)をする

(5)立ち上る

 

【3級】(脊柱機能障害に係る障害の程度)

<脊柱の運動機能障害(重度)>

●「脊柱の機能に著しい障害を残すもの」すなわち、脊柱又は背部・軟部組織の明らかな器質的変化のため、脊柱の前屈・後屈運動の他動可動域が参考可動域の半分以下に制限されたもの。ただし、傷病の部位が癒合し当該部分のみ運動不能でも他の部位が代償して脊柱の運動障害は軽度あるいは殆ど認められない場合が多いため、脊柱の回旋・側屈運動の制限状態や日常生活における動作も考慮し、脊柱全体の運動機能をみて、障害等級3級と認定される場合がある。また、脊柱に随伴する神経系統に障害がある場合、かかる神経機能障害も含めて総合的に認定される。

 →障害等級3級4号(厚年令別表第1第4号、認定基準第3第1章第7節第3の1・2(2)、併合判定参考表障害6号-3)

 <脊柱の前屈・後屈運動の可能域制限>

 例1)脊柱又は背部・軟部組織の明らかな器質的変化のため、脊柱の前屈・後屈運動の他動可動域が参考可動域の半分以下に制限されたもの(第7節第3の2(2)ウ(ア)、障害6号-3)。

 <その他3級相当の脊柱の運動機能障害>

 例2)脊柱の前屈・後屈運動の可動域制限は殆どないが、①日常生活における動作及び②脊柱全体の運動機能(前屈・後屈・回旋・側屈運動)をみて、3級と認められるもの(第7節第3の2(2)ウ後段、障害6号-3)。

 <その他3級相当の脊柱の運動機能障害及び神経機能障害>

 例3)脊柱の前屈・後屈運動の可動域制限は殆どないが、①日常生活における動作、②脊柱全体の運動機能(前屈・後屈・回旋・側屈運動)及び③随伴する神経系統の障害を総合的にみて、3級と認められるもの(第7節第3の2(2)ウ後段・オ、障害6号-3)。

 

※「日常生活における動作」(第7節第3の2(2)イ)

(1)ズボンの着脱(どのような姿勢でもよい)

(2)靴下を履く(どのような姿勢でもよい)

(3)座る(正座、横座り、胡坐、脚投げ出し)

(4)深くお辞儀(最敬礼)をする

(5)立ち上る

 

【障害手当金】(脊柱機能障害に係る障害の程度)

<脊柱の運動機能障害(中度)>

●「脊柱の機能に障害を残すもの」すなわち、①脊柱又は背部・軟部組織の明らかな器質的変化のため、脊柱の前屈・後屈運動の他動可動域が参考可動域の4分の3以下に制限されたもの、②頭蓋・上位頸椎間の著しい異常可動性が生じたもの等。ただし、傷病の部位が癒合し当該部分のみ運動不能でも他の部位が代償して脊柱の運動障害は軽度あるいは殆ど認められない場合が多いため、脊柱の回旋・側屈運動の制限状態や日常生活における動作も考慮し、脊柱全体の運動機能をみて、障害手当金と認定される場合がある。また、脊柱に随伴する神経系統に障害がある場合、かかる神経機能障害も含めて総合的に認定される。

 →障害手当金第9号(厚年令別表第2第9号、認定基準第3第1章第7節第3の1・2(2)、併合判定参考表障害8号-2)

 <脊柱の前屈・後屈運動の可動域制限>

 例1)脊柱又は背部・軟部組織の明らかな器質的変化のため、脊柱の前屈・後屈運動の他動可動域が参考可動域の4分の3以下に制限されたもの(第7節第3の2(2)ウ(イ)、障害8号-2)。

 <頭蓋・上位頸椎間の著しい異常可動性>

 例2)頭蓋・上位頸椎間の著しい異常可動性が生じたもの(障害8号-2)。

 <その他障害手当金相当の脊柱の運動機能障害>

 例3)脊柱の前屈・後屈運動の可動域制限は殆どないが、①日常生活における動作及び②脊柱全体の運動機能(前屈・後屈・回旋・側屈運動)をみて、障害手当金と認められるもの(第7節第3の2(2)ウ後段、障害8号-2)。

 <その他障害手当金相当の脊柱の運動機能障害及び神経機能障害>

 例4)脊柱の前屈・後屈運動の可動域制限は殆どないが、①日常生活における動作、②脊柱全体の運動機能(前屈・後屈・回旋・側屈運動)及び③随伴する神経系統の障害を総合的にみて、障害手当金と認められるもの(第7節第3の2(2)ウ後段・オ、障害8号-2)

 

※「日常生活における動作」(第7節第3の2(2)イ)

(1)ズボンの着脱(どのような姿勢でもよい)

(2)靴下を履く(どのような姿勢でもよい)

(3)座る(正座、横座り、胡坐、脚投げ出し)

(4)深くお辞儀(最敬礼)をする

(5)立ち上る