障害状態要件(咀嚼・嚥下機能障害)

5.「咀嚼・嚥下機能障害」の障害状態要件

※上記画像と本文の内容とは無関係です。

 

【注1】以下、根拠条文等について、次のように略記する場合があります。

・「節」は「障害認定基準」、「欄」は「診断書」を指すものとします。

 例1)「認定基準第3第1章第5節」→「第5節」

 例2)「そしゃく・嚥下機能等の障害用の診断書(様式120号の2)第10欄」→「第10欄」

  ※咀嚼・嚥下機能障害の場合、前記様式を用います。

  ※複数の障害が併存する重複障害で請求する場合、様式の異なる複数の診断書を用いる場合があります。

  →診断書の様式が異なる場合、同種の記載欄の番号が本頁記載のものとは異なる場合があります。

【注2】本頁の例示は、認定基準の例示及び公開情報から推察し構築したものも含む場合があります。

 ※「公開情報」:障害年金の認定に関する専門家会合の議事録等。

 

「咀嚼・嚥下機能障害」の障害状態要件

■「咀嚼・嚥下機能障害」の原因となった請求傷病による障害の状態が、障害認定時期に政令別表に定める障害の程度に該当すること(国年令別表、厚年令別表第1、同第2、認定基準第3第1章第5節1)。

 

※「請求傷病」:咀嚼・嚥下機能障害の原因傷病。

<神経・筋疾患によるもの>

 例1)重症筋無力症

<外傷、腫瘍切除等による顎(顎関節を含む)、口腔、咽頭、喉頭の欠損等によるもの>

 ※「口腔」:舌、口唇、硬口蓋、頬、咀嚼筋等。

 例2)上下顎欠損

 例3)唇顎口蓋裂

 例4)舌腫瘍切除後の舌の欠損

 例5)咽頭摘出術後遺症

<延髄機能障害によるもの>

 例6)球麻痺

<先天異常の後遺症(咬合障害)>

 例7)口唇裂後遺症

 例8)口蓋裂後遺症

 

※「咀嚼・嚥下機能障害」:歯、顎(顎関節を含む。)、口腔(舌、口唇、硬口蓋、頬、咀嚼筋等)、咽頭、喉頭、食道等の器質的、機能的障害(外傷や手術による変形、障害を含む。)により、食物の摂取が困難なもの、或は誤嚥の危険が大きいもの(認定基準第3第1章第5節2(1))。

 

【2級】(「咀嚼・嚥下機能障害」の障害の程度)

<咀嚼・嚥下機能障害(重度)>

●「そしやく機能を欠くもの」すなわち、次の(1)~(3)のいずれかに該当するもの。

 →障害等級2級4号(国年令別表第2級4号、認定基準第3第1章第5節1・2(2)ア、併合判定参考表障害2号-3)

(1)流動食以外は摂取できないもの。

(2)経口的に食物を摂取することができないもの。

(3)経口的に食物を摂取することが極めて困難なもの(次のいずれかのもの)。

 ⓵ 食餌が口からこぼれ出るため常に手、器物等でそれを防がなければならないもの。

 ② 一日の大半を食事に費やさなければならない程度のもの。

 

 <咀嚼・嚥下機能障害(重度)>

 例1)流動食以外は摂取できないもの(第5節2(2)ア、障害2号-3)。

 例2)経口的に食物を摂取することができないもの(第5節2(2)ア、障害2号-3)。

 例3)経口的に食物を摂取することが極めて困難なもの(食餌が口からこぼれ出るため常に手、器物等でそれを防がなければならないもの)(第5節2(2)ア、障害2号-3)。

 例4)経口的に食物を摂取することが極めて困難なもの(一日の大半を食事に費やさなければならない程度のもの)(第5節2(2)ア、障害2号-3)。

 

【3級】(「咀嚼・嚥下機能障害」の障害の程度)

<咀嚼・嚥下機能障害(中等度)>

●「そしやくの機能に相当程度の障害を残すもの」すなわち、①経口摂取のみでは十分な栄養摂取ができないためにゾンデ(経管)栄養の併用が必要なもの、又は②全粥又は軟菜以外は摂取できない程度のもの。

 →障害等級3級3号(厚年令別表第1第3号、認定基準第3第1章第5節1・2(2)イ、併合判定参考表障害6号-2)

 <咀嚼・嚥下機能障害(中等度)>

 例1)経口摂取のみでは十分な栄養摂取ができないためにゾンデ栄養の併用が必要なもの(第5節2(2)イ、障害6号-2)

  ※「ゾンデ栄養」:カテーテルを経鼻的に胃まで挿入し、末端から栄養剤を注入する栄養補給方法。

 例2)全粥又は軟菜以外は摂取できない程度のもの(第5節2(2)イ、障害6号-2)。

 

【障害手当金】(「咀嚼・嚥下機能障害」の障害の程度)

<咀嚼・嚥下機能障害(軽度)>

●「そしやくの機能に障害を残すもの」すなわち、ある程度の常食は摂取できるが、咀嚼・嚥下が十分できないため、食事が制限される程度のもの。

 →障害手当金第7号(厚年令別表第2第7号、認定基準第3第1章第5節1・2(2)ウ、併合判定参考表障害10号-4)

 <咀嚼・嚥下機能障害(軽度)>

 例1)ある程度の常食は摂取できるが、咀嚼・嚥下が十分できないため、食事が制限される程度のもの(第5節2(2)ウ、障害10号-4)。

 

 

留意事項(「咀嚼・嚥下機能障害」の場合)

【留意点】「咀嚼・嚥下機能障害」の認定方法及び考慮要素

・咀嚼機能の障害及び嚥下機能の障害については、併合認定はされず、総合的に認定される。その際、摂取可能な食物の内容や摂取方法だけでなく、関与する器官、臓器の形態・機能、栄養状態等も重視されるため、円滑に等級認定を得るためには、診断書の作成依頼や病歴等申立書の作成の際、これらの情報が把握できるように書類整備する必要がある(認定基準第3第1章第5節2(2)柱書、(5))。

 

【留意点】歯のみの障害による場合

・歯のみの障害による場合、補綴等の治療結果の状態から認定される(第5節2(9))。

 

【留意点】「嚥下機能の障害」(食道の狭窄、舌、口腔、咽頭の異常等によるもの)の場合

・嚥下機能の障害のうち食道の狭窄、舌、口腔、咽頭の異常等によって生じるものは、そしゃく機能の障害に準じて(摂取する食物の内容によって)認定されるため、診断書の作成依頼や病歴等申立書の作成の際、摂取する食物の内容が把握できるように書類整備する必要がある(認定基準第3第1章第5節2(4))。