障害状態要件(平衡機能障害)

4.「平衡機能障害」の障害状態要件

※上記画像と本文の内容とは無関係です。

 

【注1】以下、根拠条文等について、次のように略記する場合があります。

・「節」は「障害認定基準」、「欄」は「診断書」を指すものとします。

 例1)「認定基準第3第1章第4節」→「第4節」

 例2)「平衡機能等の障害用の診断書(様式120号の2)第10欄」→「第10欄」

  ※平衡機能障害の場合、前記様式を用います。

  ※複数の障害が併存する重複障害で請求する場合、様式の異なる複数の診断書を用いる場合があります。

  →診断書の様式が異なる場合、同種の記載欄の番号が本頁記載のものとは異なる場合があります。

【注2】本頁の例示は、認定基準の例示及び公開情報から推察し構築したものも含む場合があります。

 ※「公開情報」:障害年金の認定に関する専門家会合の議事録等。

 

「平衡機能の障害」の障害状態要件

■「平衡機能の障害(内耳性及び脳性のものを含む。」の原因となった請求傷病による障害の状態が、障害認定時期に政令別表に定める障害の程度に該当すること(国年令別表、厚年令別表第1、同第2、認定基準第3第1章第4節1)。

 

※「平衡機能障害」:部位別として、末梢性平衡失調、中枢性平衡失調、小脳性平衡失調等と呼ばれるものがある。

※「請求傷病」:平衡機能障害の原因傷病。次のようなものがある。

 例1)脳脊髄液減少症

 例2)外傷性脳損傷

 例3)脊髄損傷

 例4)外傷性脊髄空洞症

 例5)脊髄性小脳変性症

 例6)小脳出血後遺症

 例7)小脳梗塞後遺症

 例8)メニエール病 

 

<併合認定される場合>

 例1)平衡機能障害+聴覚障害(特に内耳性聴覚障害)(第2節2(7))。

 

【2級】(平衡機能の障害に係る障害の程度)

※平衡機能障害のみでは、1級認定はない(認定基準第3第1章第4節1)。他方、例えば、平衡機能2級障害と聴覚2級障害の加重認定により併合1級の認定が得られる場合はある(併合判定参考表併合番号1)。

 

<平衡機能障害(重度)>

●「平衡機能に著しい障害を有するもの」

 →障害等級2級3号(国年令別表第2級3号、認定基準第3第1章第4節1・2(2)、併合判定参考表障害2号-2)

 例1)四肢体幹に器質的異常がない場合に、閉眼で起立・立位保持が不能又は開眼で直線を歩行中に10メートル以内に転倒あるいは著しくよろめいて歩行中断せざるを得ない程度のもの(第4節2(2)、障害2号-2)。

 

【3級】(平衡機能の障害に係る障害の程度)

※平衡機能障害については、3級14号の認定はない(認定基準第3第1章第4節1)。

 

<平衡機能障害(中等度)>

●「神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」

 →障害等級3級13号(厚年令別表第1第13号、認定基準第3第1章第4節1・2(3)、併合判定参考表障害7号-9)

 例1)中等度の平衡機能の障害(閉眼で起立・立位保持が不安定で、開眼で直線を10メートル歩いたとき、多少転倒しそうになったりよろめいたりするがどうにか歩き通す程度のもの)のために、労働能力が明らかに半減しているもの(第4節2(3)、障害7号-9)。

 

【障害手当金】(平衡機能の障害に係る障害の程度)

<平衡機能障害(軽度)>

●「神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」

 →障害手当金22号(厚年令別表第2第22号、認定基準第3第1章第4節1・2(4)、併合判定参考表障害8号-12)

 例1)めまいの自覚症状が強く、他覚所見として眼振その他平衡機能検査の結果に明らかな異常所見が認められ、かつ、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの(第4節2(4)、障害8号-12)。

 ※「めまい(眩暈)」:その原因の観点から、①定型性めまい(末梢性障害・内耳性めまい)と②非定型性(偽性)めまい(中枢性障害)に分けられる。

 ※「眼振」:眼球が不随意に振動する状態。

 ※「平衡機能検査」:①下肢偏倚立ち直り検査(両脚直立検査、マン検査、単脚起立検査、重心動揺検査、足踏検査)、②上肢偏倚検査(遮眼書字検査、指示検査)、③眼振検査(自発眼振検査、注視眼振検査、頭位眼振検査、頭位変換眼振検査)等がある。

 ※「両脚直立検査」:両足を揃えて直立し、開眼と閉眼でそれぞれ60秒間観察するもの。

 ※「マン(Mann)検査」:両足を一直線上に前後で揃え、開眼と閉眼でそれぞれ30秒間観察するもの。

 ※「単脚起立検査」:挙上足の大腿が水平になるように片足で直立し、開眼で30秒間、閉眼で15秒間観察するもの。

 ※「重心動揺検査」:重心同様計を用いて、30~60秒間に両脚直立したときの重心の移動を分析するもの。

 ※「足踏検査」:両側上肢を水平に挙上して、遮眼で100歩足踏みをさせ、回転角や移行距離を測定するもの。

 ※「遮眼書字検査」:遮眼で4~5文字の縦書きをさせて偏倚角度を測定するもの。

 ※「指示検査」:座位の状態で示指を伸ばし上肢を上方に垂直に挙げた位置から水平の高さに下して、前方に示した目標を指示させるもの。

 ※「自発眼振検査」:非注視下で自発的に出現する眼振を観察するもの。

 ※「注視眼振検査」:眼前50cmの指標を30秒以上注視させるもの。

 ※「頭位眼振検査」:座位・仰臥位・懸垂頭位において眼振を観察するもの。

 ※「頭位変換眼振検査」:懸垂頭位から座位及びその逆で、急速に頭位を変換させた際に誘発される眼振を観察する

もの。