障害状態要件(血液・造血器疾患による障害)

14.「血液・造血器疾患による障害」の障害状態要件

※上記画像と本文の内容は無関係です。

 

【目次】

14.「血液・造血器疾患による障害」の障害状態要件

 

【注1】以下、根拠条文等について、次のように略記する場合があります。

・「節」は「障害認定基準」、「欄」は「診断書」を指すものとします。

 例1)「認定基準第3第1章第14節」→「第14節」

 例2)「血液・造血器その他の障害」の診断書(様式120号の7)第13欄→「第13欄」

  ※診断書は、障害及びその原因疾患を最も的確に表わす前記様式を用いることが多くなります。

  ※複数の障害が併存する重複障害で請求する場合、様式の異なる複数の診断書を用いる場合があります。

  →診断書の様式が異なる場合、同種の記載欄の番号が本頁記載のものとは異なる場合があります。

【注2】本頁の例示は、認定基準の例示及び公開情報から推察し構築したものも含む場合があります。

 ※「公開情報」:障害年金の認定に関する専門家会合の議事録等。

 

14:「血液・造血器疾患による障害」の障害状態要件

■血液・造血器疾患による障害の原因となった請求傷病(血液・造血器疾患)による障害の状態が、障害認定時期に政令別表に定める障害の程度に該当するものであること(国年令別表、厚年令別表第1、認定基準第3第1章第14節1)。

 

※「血液・造血器疾患」:臨床像から、次の3つの病態に大別される(第14節2(1))。

 ① 赤血球系・造血不全疾患

 ② 血栓・止血疾患

 ③ 白血球系・造血器腫瘍疾患

 

<赤血球系・造血不全疾患>

 例1)再生不良性貧血

  例1-1)成人特発性再生不良性貧血

 例2)溶血性貧血

  例2-1)自己免疫性溶血性貧血

 例3)ファンコニ貧血(FA)

 例3)骨髄異形成症候群(MDS)

 例4)骨髄線維症

 

<血栓・止血疾患>

 <血栓疾患>

 例1)先天性アンチトロンビン欠乏症

 例2)発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)

 <止血疾患>

 例3)血小板減少性紫斑病

  例3-1)特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

 例4)凝固因子欠乏症(血友病、先天性凝固・抗凝固因子欠乏症等)

  ※「凝固因子」:出血を抑える血液中の蛋白質等。

  ※「欠乏症」:抗原量及び活性が欠乏した(基準値よりも低い)ものと解する。「欠損症」よりは概念が広い。「欠乏症(Type1:抗原量と活性がともに欠如したもの)」と「異常症(Type2:抗原量は正常量存在するが活性の欠如したもの)」に分類される場合もある。必ずしも「異常症」の場合が認定対象外となるわけではない。

  ※「血友病」:血友病A(第Ⅷ因子欠乏症)及び血友病B(第Ⅸ因子欠乏症)の総称。なお、認定基準では、血友病C(第Ⅺ因子欠乏症)は、血友病に含まれず、血友病以外の凝固因子欠乏症(血友病類縁疾患)の一つとして把握されるものと解する。血友病類縁疾患の発症頻度は、血友病に比べて圧倒的に少ない(小児慢性特定疾病情報センター)。

  ※「先天性」:凝固因子欠乏症は、主として先天性のものであるが、後天性のものもある。

  例4-1)第Ⅰ因子欠乏症

  例4-2)第Ⅱ因子欠乏症

  例4-3)第Ⅲ因子欠乏症

  例4-4)第Ⅳ因子欠乏症

  例4-5)第Ⅴ因子欠乏症

  例4-6)第Ⅶ因子欠乏症

  例4-7)血友病A(第Ⅷ因子欠乏症)

  例4-8)血友病B(第Ⅸ因子欠乏症)

  例4-9)第Ⅹ因子欠乏症

  例4-10)第ⅩⅠ因子欠乏症

  例4-11)第ⅩⅡ因子欠乏症

  例4-12)第ⅩⅢ因子欠乏症

 

<白血球系・造血器腫瘍疾患>

 例1)白血球系疾患

  例1-1)慢性骨髄性白血病

  例1-2)慢性リンパ性白血病

 例2)造血器腫瘍疾患

  例2-1)悪性リンパ腫

   例2-1-1)濾胞性リンパ腫

   例2-1-2)MALTリンパ腫/辺縁帯リンパ腫

   例2-1-3)リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンストレームマクログロブリン血症

   例2-1-4)マントル細胞リンパ腫

   例2-1-5)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

   例2-1-6)バーキットリンパ腫

   例2-1-7)末梢性T細胞リンパ腫

   例2-1-8)成人T細胞白血病・リンパ腫

   例2-1-9)節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型

   例2-1-10)ホジキンリンパ腫

  例2-2)骨髄腫

   例2-2-1)多発性骨髄腫

 

●「血液・造血器疾患による障害」の障害状態要件は、各疾患の病態別の臨床所見(A表)及び検査所見(B表)の他、他の一般検査、特殊検査及び画像診断等の検査成績、病理組織及び細胞所見、合併症の有無とその程度、治療及び病状の経過等を参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に判断される(第14節2(9))。

 

Ⅰ.血液・造血器疾患に関する事項

1.臨床所見(第13欄1)

(1)自覚症状(第13欄1(1))

 ①「易疲労感」の有無(無・有・著)

 ⓶「動悸」の有無(無・有・著)

 ③「息切れ」の有無(無・有・著)

 ④「発熱」の有無(無・有・著):代謝亢進による微熱等の有無や程度。受診時に症状が現れているとは限らないため、自覚症状の一つとされる。

 ⑤「紫斑」の有無(無・有・著):皮下・皮内に生じた斑状の青紫色の出血斑の有無や程度。受診時に症状が現れているとは限らないため、自覚症状の一つとされる。出血傾向に関わる。  

 ⑥「月経過多」の有無(無・有・著):重度で長期間の月経出血の有無や程度。

  ・月経過多により、貧血(鉄分不足による虚弱、倦怠)が起こりうる。出血傾向に関わる。

 ⑦「関節症状」の有無(無・有・著):骨髄細胞の増加による骨痛、関節痛の有無や程度。

(2)他覚所見(第13欄1(2))

 ①「易感染性」の有無(無・有・著):造血や免疫に関する重要な指標。血友病、HIV、HCV等に関わる。

 ②「リンパ節膨張」の有無(無・有・著)

 ③「出血傾向」の有無(無・有・著):異常な出血が生じ易いか否か。

  ・出血傾向は、止血疾患(出血性疾患)の主徴。止血困難を示す。血小板減少、血小板機能低下、凝固因子活性低下、凝固抑制因子活性亢進、線溶活性亢進、血管壁の脆弱性等に関わる。

  例1)鼻血(鼻出血)

  例2)皮膚等の出血斑が出来易い(紫斑、点状出血)

   ※「紫斑」:皮下・皮内に生じた、点状出血以上の大きさの斑状の青紫色の出血斑(斑状出血)。

   ※「点状出血」:皮下・皮内に生じた、直径2~3mm以下の赤紫色の点状の出血斑。

  例3)重度で長期間の月経出血(月経過多)

  例4)筋肉出血(筋肉内血腫)

  例5)関節内出血(出血性関節症)

  例6)口腔内出血(特に歯科処置、抜歯後)

  例7)受傷時・後、手術時・後、出産時・後の異常出血

  例8)創傷治癒遅延と異常な瘢痕形成

  例9)軟部組織の出血

  例10)妊娠中の問題(反復流産を含む。)

  例11)胃腸の出血(消化管出血)

  例12)中枢神経系(脳と脊髄)の出血(頭血種、頭蓋内出血等)

  例13)尿に血液が混じる(血尿)。

 ④「血栓傾向」の有無(無・有・著):血管内の栓子(凝血塊)による異常な血流阻害が生じ易いか否か。

  ・血栓傾向は、血栓疾患(血栓症)の主徴。血栓形成異常を示す。血小板増加、血小板機能亢進、凝固因子活性亢進、凝固抑制因子活性低下、線溶活性低下等に関わる。

 ⑤「肝腫」の有無(無・有・著)

 ⑥「脾腫」の有無(無・有・著)

 

2.検査成績(第13欄1(3))

 検査成績は、その性質上変動しやすい。このため、血液・造血器疾患による障害の程度は、最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて判定される。特に、輸血や補充療法により検査成績が一時的に改善する場合、治療前の検査成績に基づいて行われる(第14節2(8))。

(1)末梢血液検査(末梢血所見)及び検査日(第13欄1(3)ア)※

 ※末梢血液検査は、治療前の検査値及び検査日であることが要求される(同朱書)。

 ※「末梢血液検査」:血球算定検査。

 <末梢血液検査の検査項目>

 ① 「ヘモグロビン濃度(Hb)」(単位:g/dL):末梢血1dL当たり血色素量。

 ・ヘモグロビン濃度(末梢血中)は、造血能力を表わす指標の一つ。貧血の重症度を示す。

 ・ヘモグロビン濃度(末梢血中)は、赤血球数よりも参酌度は高いが、網赤血球数よりは参酌度は低い。

 ・ヘモグロビン濃度(末梢血中)の異常度判定は、認定基準による(第14節2(7)アウB表区分Ⅰ~Ⅲ)。

  →高度異常(区分Ⅰ:ヘモグロビン濃度(末梢血中)が、7.0g/dL未満)。

  →中度異常(区分Ⅱ:ヘモグロビン濃度(末梢血中)が、7.0g/dL以上9.0g/dL未満)。

  →軽度異常(区分Ⅲ:ヘモグロビン濃度(末梢血中)が、9.0g/dL以上10.0g/dL未満)。

 ② 「血小板(PLT)」(単位:万/μL):末梢血1μL当たり血小板数。

 ・血小板数(末梢血中)は、凝固系検査における止血能力の指標の一つである。

 ・血小板数(末梢血中)の異常度判定は、認定基準による(第14節2(7)イB表区分Ⅰ~Ⅲ)。

  →高度異常(区分Ⅰ:血小板数(末梢血中)が、2万/μL未満)。

  →中度異常(区分Ⅱ:血小板数(末梢血中)が、2万/μL以上~5万/μL未満)。

  →軽度異常(区分Ⅲ:血小板数(末梢血中)が、5万/μL以上~10万/μL未満)。

 ③ 「赤血球(RBC)」(単位:万/μL):末梢血1μL当たり赤血球数。

 ・赤血球数(末梢血中)は、血球算定検査における造血能力を表わす指標の一つ。貧血等により減少する。

 ・赤血球数が正常でも、ヘモグロビン濃度が低値であれば、貧血症状が認められる。

 ・赤血球(末梢血中)の異常度判定は、認定基準による(第14節2(4))。

  →高度異常(赤血球数(末梢血中)が、200万/μL未満)。

  →中度異常(赤血球数(末梢血中)が、200万/μL以上300万/μL未満)。

  →軽度異常(赤血球数(末梢血中)が、300万/μL以上350万/μL未満)。

 ④ 「網赤血球(Reti:reticulocyte)」(単位:万/μL):末梢血中の網状赤血球数。赤血球産生の重要な指標。

 ・網赤血球数は、血球算定検査における造血能力を表わす指標として、極めて重視される。

 ・網赤血球数は、ヘモグロビン濃度と異なり、輸血の影響を受けない点で造血能を的確に反映する。

 ・網赤血球(末梢血中)の異常度判定は、認定基準による(第14節2(7)アB表区分Ⅰ~Ⅲ)。

  →高度異常(区分Ⅰ:網赤血球数(末梢血中)が、2万/μL未満のもの)。

  →中度異常(区分Ⅱ:網赤血球数(末梢血中)が、2万/μL以上6万/μL未満のもの)。

  →軽度異常(区分Ⅲ:網赤血球数(末梢血中)が、6万/μL以上10万/μL未満のもの)。

 ⑤ 「白血球(WBC:white blood cell)」(単位:個/μL):末梢血1μL当たり白血球数。

 ・白血球数は、血球算定検査における造血能力を表わす指標の一つである。

 ・白血球(末梢血中)には、次の3種類がある。

  ⅰ)顆粒球(G:granulocyte):末梢血1μL当たり顆粒球数(好中球数+好酸球数+好塩基球数)。

  ⅱ)リンパ球(Lymph:lymphocyte):末梢血1μL当たりリンパ球数。

  ⅲ)単球(Mono:monocyte):末梢血1μL当たり単球数。

 ・白血球(末梢血中)の異常度判定は、認定基準による(第14節2(7)ウB表Ⅰ~Ⅲ)。

  →高度異常(区分Ⅰ:白血球数(末梢血中)が、1,000個/μL未満)。

  →中度異常(区分Ⅱ:白血球数(末梢血中)が、1,000個/μL以上2,000個/μL未満)。

  →軽度異常(区分Ⅲ:白血球数(末梢血中)が、2,000個/μL以上3,300個/μL未満)。

 ⑥「好中球(Neut:neutrophil)」(単位:個/μL):末梢血1μL当たり好中球数。

 ・好中球は、顆粒球(G:granulocyte)の一種である。好中球(末梢血中)には、次の2種類がある。

  ⅰ)好中球分葉核(NSeg:segmented neutrophil):末梢血1μL当たり好中球分葉核球数。

  ⅱ)好中球桿状核(NStab:stab neutrophil):末梢血1μL当たり好中球桿状核球数。  

 ・好中球(末梢血中)の異常度判定は、認定基準による(第14節2(7)アB表区分Ⅰ~Ⅲ)。

  ※好中球数(末梢血液中)は、病的なものを除いた「正常」好中球数に着目する。

  →高度異常(区分Ⅰ:正常好中球数(末梢血中)が、500個/μL未満)。

  →中度異常(区分Ⅱ:正常好中球数(末梢血中)が、500個/μL以上1,000個/μL未満)。

  →高度異常(区分Ⅲ:正常好中球数(末梢血中)が、1,000個/μL以上2,000個/μL未満)。

 ・顆粒球には、好中球(Neut:neutrophil)、好酸球(Eos:eosinophil)、好塩基球(Baso:basophil)がある。

  ※顆粒球数(末梢血中)よりも、その一種である好中球数(末梢血中)の方が参酌度が高い。

  ※顆粒球数(末梢血中)の異常度判定は、認定基準による(第14節2(4))。

  ※顆粒球数(末梢血中)の単位は「個/μL」である。骨髄の場合(%)とは異なる。

  →高度異常(顆粒球数が、500個/μL未満)。

  →中度異常(顆粒球数が、500個/μL以上1,000個/μL未満)。

  →軽度異常(顆粒球数が、1,000個/μL以上2,000個/μL未満)。

 ⑦ 「リンパ球(Lymph)」(単位:個/μL):末梢血1μL当たりリンパ球数。

 ・リンパ球数(末梢血液中)は、免疫力を表わす指標の一つである。

 ・リンパ球(末梢血中)には、3種類(T細胞、B細胞、NK細胞)がある。

 ・リンパ球(末梢血中)の単位は「個/μL」である。骨髄の場合(%)とは異なる。

 ・リンパ球(末梢血中)の異常度判定は、認定基準による(第14節2(7)ウB表区分Ⅰ~Ⅲ)。

  ※リンパ球数(末梢血液中)は、病的なものを除いた「正常」リンパ球数に着目する。

  →高度異常(区分Ⅰ:正常リンパ球数(末梢血液中)が、300個/μL未満)。

  →中度異常(区分Ⅱ:正常リンパ球数(末梢血液中)が、300個/μL以上600個/μL未満)。

  →軽度異常(区分Ⅲ:正常リンパ球数(末梢血液中)が、600個/μL以上1,000個/μL未満)。

(2)凝固系検査及び検査日(第13欄1(3)イ)

 ・凝固系検査は、最も適正に病状をあらわした検査数値及び検査日であることが要求される(同朱書)。

 ・凝固系検査の検査項目には、APTT、PT、凝固因子活性等がある。

 ①「凝固因子活性(第 因子)」(単位:%):欠乏している凝固因子の番号(12種類)に着目される。先天性血液凝固因子異常症の場合、凝固因子の単独欠乏が多く、後天性の場合、複数欠乏が多い。

  ※重複欠乏症の場合、少なくとも凝固因子のうち最も低値のものを記載する。なお、凝固系検査の結果資料を添付するのが好ましい。複数の凝固因子の組合せで不服申立てを行う途を確保するためである。

  例)ビタミンK依存性凝固因子欠乏症(VKCFD)の場合、第Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ因子に異常がある。

 <凝固因子の種類(第Ⅰ因子~第ⅩⅢ因子。尚、第Ⅵ因子は欠番。)>

  例1)「第Ⅰ因子」:フィブリノゲン。肝臓で産生される。

   →第Ⅰ因子欠乏は、B表(検査所見)における考慮対象とならず、A表(臨床所見)、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等とともに、総合的に考慮される(第14節2(7)イB表注2)。

  例2)「第Ⅱ因子」:プロトロンビン。βグロブリン中にある。肝臓で産生される。(★)

  例3)「第Ⅲ因子」:組織トロンボブラスチン。組織因子。補助因子。血管内皮で産生される。

   →第Ⅲ因子が欠乏しても、B表(検査所見)における考慮対象とならない(第14節2(7)イB表注1)。

  例4)「第Ⅳ因子」:カルシウムイオン。補助因子。

   →第Ⅳ因子が欠乏しても、B表(検査所見)における考慮対象とならない(第14節2(7)イB表注1)。

  例5)「第Ⅴ因子」:ACグロブリン。不安定因子。肝臓で産生される。(★)

  例6)「第Ⅶ因子」:SPCA(プロコンパーチン)。安定因子。肝臓で産生される。(★)

  例7)「第Ⅷ因子」:抗血友病因子(AHF, AHG)。肝臓で産生される。第Ⅷ因子欠乏→血友病A。(★)

  例8)「第Ⅸ因子」:クリスマス因子。肝臓で産生される。第Ⅸ因子欠乏→血友病B。(★)

  例9)「第Ⅹ因子」:スチュワート因子。肝臓で産生される。(★)

  例10)「第ⅩⅠ因子」:PTA(血漿トロンボブラスチン前駆物質)。肝臓で産生される。

  例11)「第ⅩⅡ因子」:ハーグマン因子。肝臓で産生される。第Ⅻ因子欠乏は、出血ではなく血栓症を起す。

   →第Ⅻ因子が欠乏しても、B表(検査所見)における考慮対象とならない(第14節2(7)イB表注1)。

  例12)「第ⅩⅢ因子」:フィブリン安定化因子。(★)

 ・凝固因子活性は、凝固第(Ⅱ・Ⅴ・Ⅶ・Ⅷ・Ⅸ・Ⅹ・XⅠ・ⅩⅢ )因子(★参照)のうち最も低い数値(%)が、後記「vWF活性」の数値(%)よりも低い場合、考慮対象とされる(第14節2(7)イB表注1)。

 ・凝固因子活性の異常度判定は、認定基準による(第14節2(7)イB表区分Ⅰ~Ⅲ)。

  →高度異常(区分Ⅰ:凝固因子活性が、1%未満)。

  →中度異常(区分Ⅱ:凝固因子活性が、1%以上5%未満)。

  →軽度異常(区分Ⅲ:凝固因子活性が、5%以上40%未満)。

 ②「vWF活性」(単位:%):フォンヴィレブランド因子活性(von Willebrand factor activity)。リストセチン・コファクター(ristocetin cofactor)ともいう。損傷を受けた血管内皮細胞下組織に、血小板が粘着・凝集する際に両者を接着させる分子糊として働く血漿蛋白。先天性の止血異常としては最も頻度が高いフォンヴィレブランド病の診断、血小板機能異常、第Ⅷ因子低下時の鑑別診断・病態評価に用いられている。

 ・vWF活性は、前記凝固第(Ⅱ・Ⅴ・Ⅶ・Ⅷ・Ⅸ・Ⅹ・ⅩⅠ・ⅩⅢ)因子(★参照)のうち最も数値の低いものと比べて低い場合、考慮対象となる(第14節2(7)イB表注2)。

 ③「インヒビター」(無・有):凝固因子を阻害する物質(抗体)の出現の有無。

 ・凝固因子欠乏症でインヒビターが「有」の場合、B表(検査所見)によらず、A表(臨床所見)、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等とともに、総合認定の考慮要素となる(第14節2(7)イB表注2)。

  →インヒビターが「有」の場合:高度異常(重症血友病と同程度以上)に相当する(専門家会合)。

 ④「APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)」(単位:秒):凝固因子欠乏の評価要素の一つ。血液凝固過程のうち、血管内皮表面以外の成分や異物面との接触により活性化が始まる内因系凝固過程を全体的にみるもの。

 ・APTT(血漿中)の異常度判定は、認定基準による(第14節2(7)イB表区分Ⅰ~Ⅲ)。

  →高度異常(区分Ⅰ:APTT(血漿中)が、基準値の3倍以上のもの)。

  →中度異常(区分Ⅱ:APTT(血漿中)が、基準値の2倍以上3倍未満のもの)。

  →軽度異常(区分Ⅲ:APTT(血漿中)が、基準値の1.5倍以上2倍未満のもの)。

 ・APTT(血漿中)の基準値は、施設基準に委ねられる。 

  例1)基準値(単位:秒):APTT(血漿中)が、25~36秒(聖路加国際病院、2017年)。

  例2)基準値(単位:秒):APTT(血漿中)が、23~40秒(国立がん研究センター、2016年)。

  例3)基準値(単位:秒):APTT(血漿中)が、25.5~36.1秒(東京大学医学部附属病院、2015年)。

 ⑤「PT(プロトロンビン時間)」(単位:秒):凝固系検査における凝固因子欠乏の評価要素の一つ。

 ・PT(血漿中)の異常度判定は、認定基準による(第14節2(7)イB表区分Ⅰ~Ⅲ)。

  →高度異常(区分Ⅰ:PT(血漿中)が、基準値の3倍以上のもの)。

  →中度異常(区分Ⅱ:PT(血漿中)が、基準値の2倍以上3倍未満のもの)。

  →軽度異常(区分Ⅲ:PT(血漿中)が、基準値の1.5倍以上2倍未満のもの)。

 ・PT(プロトロンビン時間)の基準値は、施設基準に委ねられる。

  ※診断書記載項目では「PT(秒)」であり、「PT-INR(国際標準化比)」とは異なる。

  ※PT(秒)は、用いる試薬や機器により異なる。通常正常値は10~12秒程度とされる。

  ※PT-INRの正常値は、1.0(INR:International normalized ratio)である。

  例1)基準値(単位:秒):PT(秒)が、9.0~13.0秒(国立がん研究センター、2016年)。

  例2)基準値(単位:INR):PT-INRが、0.80~1.20 INR(聖路加国際病院、2015年)。

  例2)基準値(単位:INR):PT-INRが、0.80~1.20 INR(慶応義塾大学病院、2016年)。

  例4)基準値(単位:INR):PT-INRの設定なし(東京大学医学部附属病院、2015年)。

(3)その他の検査及び検査日(第13欄1(3)ウ))

 ①「画像検査」(検査名、検査日及び所見)

 ・骨髄像は、障害と関係はなく、考慮要素とならない(専門家会合)。

  例1)超音波(エコー)検査:超音波を用いて慢性骨髄性白血病に伴う臓器異常の有無等を確認する検査。

  例2)CT検査:造影剤を投与し、X線を多角的に当て体の断面図を撮影する検査。

   ※「CT」:Computed Tomography(コンピュータ断層撮影)

  例3)MRI検査:造影剤を投与し、体の断面図(磁気共鳴像)を画像化する検査。

   ※「MRI」:Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)

  例4)PET検査:放射性薬剤を投与し、体の断面図(陽電子放出断層)を画像化する検査。

   ※「PET」:Positron Emission Tomography(陽電子放射断層撮影)

  例5)骨シンチ(scintigraphy):放射性薬剤を投与し、骨を壊す状態や作る状態にある部位を特定する検査。

  例6)SPECT検査:放射性薬剤を投与し、その分布状態等から臓器の機能(脳血流や心筋等)をみる検査。

   ※「SPECT」:Single Photon Emission Computed Tomography(単一光子放射断層撮影)

 ②「その他の検査」(検査名、検査日及び所見)

  例1)生化学検査:血液中の成分を分析する検査。

  ・検査項目:血清総蛋白、蛋白分画、AST、ALT、LD、ALP、γGT、UN、クレアチニン、尿酸等。   

  例2)鉄代謝検査:再生不良性貧血、巨赤芽球性貧血、鉄芽球性貧血等を診断する検査。

  ・尚、現在は殆ど行われていない。

  例3)免疫学的検査:抗原抗体反応等の免疫学の方法を用いた検査。

   例3-1)免疫血液学的検査

   例3-2)感染症免疫学的検査

   例3-3)肝炎ウイルス関連検査

   例3-4)自己抗体検査

   例3-5)血漿蛋白免疫学的検査

   例3-6)細胞機能検査

  例4)細胞表面抗原検査:血液、骨髄血、リンパ節等から採取した細胞の表面の抗原をフローサイトメトリーを用いて造血器腫瘍細胞を解析し、白血病、悪性リンパ腫等を診断する検査。

   ※「細胞」:血液細胞(赤血球、血小板、白血球)。

   ※「表面抗原」:血液細胞の細胞表面に存在する分子。表面マーカー、CD抗原、CD分子ともいう。

    ・表面抗原は、モノクロナール抗体と結合する。

   ※「モノクロナール抗体」:特定の抗原決定基だけと結合する抗体(免疫グロブリン)。

    ・免疫グロブリンは、Y字型の構造部分をもち、5種類がある(IgG、IgA、IgM、IgD、IgE)。

    ・モノクロナール抗体は、国際分類(CD分類)によるCD(cluster of differentiation)番号で識別される。

    ・モノクロナール抗体のCD番号を用いて間接的に識別する表面抗原を、CD抗原又はCD分子という。

   ※「細胞表面抗原検査」のうち、保険診療の対象となっているものには、次のようなものがある。

   例4-1)造血器腫瘍細胞抗原検査

   例4-2)B細胞表面免疫グロブリン検査

   例4-3)T細胞・B細胞百分率検査

   例4-4)T細胞サブセット検査

   例4-5)赤血球表面抗原検査

   例4-6)血小板関連IgG(PA-IgG)検査

   例4-7)抗血小板抗体検査

  例5)骨髄検査(骨髄穿刺・生検所見):腸骨等から採取した髄液を確認する検査。

  ・末梢血液検査で血液疾患が疑われる場合、骨髄検査も行われる。

  ・骨髄検査では、通常は骨髄穿刺(せんし)と骨髄生検が併せて行われる。

  例6)染色体検査:髄液中の染色体を確認し、慢性骨髄性白血病等を診断する検査。

  例7)遺伝子検査:髄液中の遺伝子を確認し、骨髄異形成症候群等を診断する検査。   

 

3.治療状況(第13欄2)

 ・輸血の頻度(輸血用血液製剤を輸注した月間回数)が、日常生活を制限する一番の要素として重視される。

  <輸血の頻度の解釈の目安>

  ※「頻繁」:週1回以上(月4回以上)。

  ※「必要に応じて」:月1回程度。

  ※「時々」:月2~3回。

 ・輸血は、主に成分輸血(患者が必要とする成分だけの輸血)が行われる。

  例1)貧血→赤血球製剤、血小板製剤を輸注。

  例2)出血傾向→血小板製剤、凝固因子製剤、血漿製剤を輸注。

  例3)血圧維持→赤血球製剤、新鮮凍結血漿、アルブミン製剤等を輸注。

 ・造血幹細胞移植の前処置(抗癌剤投与、全身放射線照射)の副作用に応じて輸血が必要とされる場合がある。

(1)「赤血球輸血」(月 回):濃厚赤血球製剤(RBC)輸注を行った月間回数。

(2)「血小板輸血」(月 回):濃厚血小板製剤(PC)輸注を行った月間回数。

(3)「補充療法」(月 回):輸血用血液製剤のうち「凝固因子製剤の輸注」を行った月間回数。

 ※「凝固因子製剤の輸注」には、代替医療品やインヒビター治療薬の投与も含まれる。

 <凝固因子製剤の輸注>

 例1)第Ⅷ因子製剤輸注:(血友病A製剤)第Ⅷ因子製剤の輸注(補充療法又は中和療法)。

  ※「第Ⅷ因子製剤」:次のようなものがある。複数の第Ⅷ因子製剤を輸注する場合もある。

  例1-1)血漿由来第Ⅷ因子製剤

   例1-1-1)vWF(フォンヴィレブランド因子)を含む第Ⅷ因子製剤

   例1-1-2)モノクロナール抗体精製高純度第Ⅷ因子製剤

  例1-2)遺伝子組換え第Ⅷ因子製剤

  例1-3)血漿由来第Ⅷ因子製剤

  ※「中和療法」:インヒビターによる中和量を超える第Ⅷ因子を大量投与する止血療法。

 例2)第Ⅸ因子製剤輸注:(血友病B製剤)第Ⅸ因子製剤の輸注(補充療法又は中和療法)。

  ※「第Ⅸ因子製剤」には、次のようなものがある。複数の第Ⅷ因子製剤を輸注する場合もある。

  例2-1)第Ⅸ因子複合体製剤

  例2-2)モノクロナール抗体精製高純度第Ⅸ因子製剤

  例2-3)遺伝子組換え型第Ⅸ因子製剤

  例2-4)遺伝子組換え型半減期延長第Ⅸ因子製剤

  ※「中和療法」:インヒビターによる中和量を超える第Ⅸ因子を大量投与する止血療法。

 <代替医薬品(血漿分割製剤)の投与>

  ※「血漿分割製剤」:新鮮凍結血漿(FFP)を精製、凝縮して製造された医薬品。

 例3)免疫グロブリン製剤の投与。

 例4)アルブミン製剤の投与。

 例5)フィブリン接着剤の投与。

 <インヒビター治療薬の投与>

 例6)インヒビター製剤輸注:インヒビターを迂回するバイパス製剤の輸注(バイパス止血療法)。

  ※「インヒビター」:凝固因子を阻害する物質(抗体)。

  ※「インヒビター製剤(バイパス製剤)」:補充療法や中和療法で効果が不十分な場合に用いる止血剤。

  例6-1)血漿由来活性型プロトロンビン複合体製剤(aPCC)

  例6-2)遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤(rFⅦa)

  例6-3)乾燥濃縮人血液凝固第Ⅹ因子加活性化第Ⅶ因子(MC710)

(4)「新鮮凍結血漿」(月 回):新鮮凍結血漿(FFP)の投与を行った月間回数。

  ※「新鮮凍結血漿」:採血後4時間以内の全血から遠心分離で得られた血漿を-20℃以下で保存した血漿製剤。

(5)造血幹細胞移植の有無(及び移植日)

 ①「造血幹細胞移植」は、造血幹細胞の由来により次の2つに分類される。

  ⅰ)自家造血幹細胞移植:予め採取し凍結保存しておいた「本人由来」の造血幹細胞を輸注するもの。

   例1)末梢血幹細胞移植

  ⅱ)同種造血幹細胞移植:HLA適合度が高い健常な血縁者等「ドナー由来」の造血幹細胞を輸注するもの。

   ※「HLA(human leucocyte antigen)」:ヒト白血球抗原。白血球の血液型。

   例1)骨髄移植

   例2)臍帯血移植 

 ⓶ 造血幹細胞移植の「移植日(年月日)」

 ・造血幹細胞が骨髄に生着し正常な造血機能を回復するまでには、通常、移植日から約2~4週間要する。

 ・障害年金受給中の者が造血幹細胞移植を受けた場合、移植片が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮し、術後1年間は従前の等級とされる(第14節2(10)ウ)。 

 ③「慢性GVHD」の有無及び程度(軽症・中等症・重症)

 ・造血幹細胞移植が「有」の場合、GVHD(移植片対宿主病)の有無及び程度(重症度)が考慮される。

  →造血幹細胞移植が「有」で、慢性GVHD「有」の場合、全身疾患(障害)として、総合認定の対象となる。

  →造血幹細胞移植が「無」で、慢性GVHD「有」の場合、各臓器障害として、併合(加重)認定の対象となる。

   例)造血幹細胞移植以外の治療に伴う副作用(全身症状)がある場合(専門家会合)。

 ・慢性GVHDの「程度」は、臓器別に検討され、包括的に判定される。具体的には、日本造血細胞移植学会(ガイドライン委員会)作成の「造血細胞移植ガイドライン」における慢性GVHDの臓器別スコア及び重症度分類を参考に客観的に判定される(第14節2(10)イ)。すなわち、造血幹細胞移植に伴う慢性GVHDの程度の判定においては、A表(臨床所見)及びB表(検査所見)は全く使われない(専門家会合)。

  例1)慢性GVHDのグレードが「重症」:概ね1級相当(専門家会合)。

  例2)慢性GVHDのグレードが「中等症」:概ね2級相当(専門家会合)。

  例3)慢性GVHDのグレードが「軽症」:概ね3級相当(専門家会合)。

 ④「所見」:請求傷病に対する治療(造血幹細胞移植)後の症状、副作用、合併症、後遺症等。

  例1)造血幹細胞移植術後の症状

   例1-1)「生着日」が確認され、状態が安定している。

    ※「生着日」:好中球数が500個/μLを超えた日が3日以上続いた場合の初日(国立がん研究センター)。

   例1-2)「感染症」や「粘膜障害(口内炎、咽頭炎、胃痛、下痢等)」等の症状がある。

   例1-3)「生着症候群」の症状(感染症が原因でない発熱、皮疹、肝障害、体重増加、下痢等)がある。

 

4.その他の所見(第13欄3)

 例1)その他の臨床所見(自覚症状):全身症状、精神神経症状、消化器症状等。

  ※「全身症状」:全身倦怠感、体重減少、筋力低下、筋痛、関節痛等。

  ※「精神神経症状」:頭痛、眩暈、幻覚、錯乱、片麻痺、四肢末梢の知覚鈍麻等。

  ※「消化器症状」:下痢、胃潰瘍、食欲不振等。

 例2)その他の臨床所見(他覚症状):心血管症状、呼吸器症状、皮膚症状、黄疸、舌の異常等。

  ※「心血管症状」:心雑音、不整脈、心不全、狭心症、血栓症等。

  ※「呼吸器症状」:咳嗽、呼吸困難等。

  ※「皮膚症状」:紅斑等の皮疹、血管性浮腫等。

 例3)その他の検査所見:リンパ節生検、肝生検、脾生検、腎症状等。

  ※「リンパ節生検」:悪性リンパ腫、慢性リンパ性白血病等。

  ※「肝生検」:肝臓原発悪性リンパ腫等。

  ※「脾生検」:腫瘍の良悪性の鑑別等。

  ※「腎症状」:蛋白尿、血尿、膿尿、高尿酸血症、痛風腎等。

 例4)請求傷病の治療に伴う副作用、合併症、後遺症等。

  例4-1)多剤併用療法に伴う精神・神経障害(強度の心理不安等)。

  例4-2)血友病に対する薬物療法に伴う合併症(HIV、HCV等)

 例5)請求傷病の後遺症

  例5-1)血栓症による肺梗塞や脳梗塞

  例5-2)四肢障害

  例5-3)頭蓋内出血による精神障害(てんかん)

  例5-4)視野障害(視野狭窄等)

 

5.一般状態(一般状態区分表)(第12欄)

 ・次の一般状態区分表の区分は、血液・造血器疾患に共通する必須の考慮要素である。

 

【一般状態区分表】

区分 一般状態
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
例えば、軽い家事、事務など
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

 

6.治療及び病状の経過(第9欄)

 ・現在までの治療の内容、反応及び病状の経過等が考慮される(第9欄)。

(1)治療の内容

(2)治療の反応

(3)治療の期間

(4)病状の経過

 ・慢性期、移行期、発症の頻度、寛解等。

 例1)薬物療法による症状の消長

 例2)薬物療法に伴う合併症

(5)診療回数

 ・現症日前1年間における診療回数が考慮される。

 ・入院した場合、入院日数1日は診療回数1回として計算する。

(6)手術歴(手術名及び手術年月日)

(7)その他参考となる事項

 

7.現在の症状(第10欄)

 ・現在の症状等が考慮される(第10欄)。

(1)現在の症状

 例1)放射線治療の副作用や合併症

 例2)抗癌剤投与の副作用や合併症

 例3)輸血の副作用や合併症

 例4)凝固因子製剤輸注の副作用や合併症

 例5)造血幹細胞移植の副作用や合併症

(2)その他参考となる事項

 

8.現症時の具体的な日常生活活動能力及び労働能力(第16欄)

 ・現症時の具体的な日常生活活動(ADL)能力及び労働能力は、必ず把握され、考慮される(同欄朱書)。

 ・客観的所見に基づくADL能力及び労働能力は、十分考慮される。

 

9.予後(第17欄)

 ・予後は、必須記載事項として考慮される(同欄朱書)。

  例1)不良:病状の進行の見通し。

  例2)術後予後:造血幹細胞移植後の病状の見通し(移植片が生着し、安定的に機能するまでに要する期間等)。

  例3)生命予後:余命記載があるもの。

  例4)不詳:予後が診断時に判断できない場合。

 

10.備考(第18欄)

 ・障害認定時期や等級判定に影響を及ぼしうる特記事項の記入が要求される場合がある。

 

【1級】(「血液・造血器疾患による障害」の障害の程度)

<1級相当の血液・造血器疾患による障害>

●「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの」すなわち、血液・造血器疾患の障害認定時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。

 →障害等級1級9号(国年令別表1級9号、認定基準第3第1章第14節1)

 

1.【1級】赤血球系・造血不全疾患による障害の場合

例)赤血球系・造血不全疾患であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)ア1級)。

 ① 赤血球系・造血不全疾患の臨床所見(A表Ⅰ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 赤血球系・造血不全疾患の検査所見(B表Ⅰ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ③ 一般状態区分が「オ」に該当する。

 

【赤血球系・造血不全疾患の臨床所見】(第14節2(7)アA表Ⅰ欄抜粋)

表区分 赤血球系・造血不全疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅰ 1 高度の貧血、出血傾向、易感染性を示すもの。
2 輸血を頻繁に必要とするもの。

 ※「輸血」:赤血球輸血のみならず、血小板輸血も含まれる。

 ※「頻繁」:赤血球輸血で週に2単位以上、血小板輸血で1単位以上が目安になるものと解される。

 

【赤血球系・造血不全疾患の検査所見】(第14節2(7)アB表Ⅰ欄抜粋)

表区分 赤血球系・造血不全疾患の検査所見(B表)
B-Ⅰ 1 末梢血液中の赤血球像で、次のいずれかに該当するもの。
(1)ヘモグロビン濃度が7.0g/dL未満のもの。
(2)網赤血球数が2万/μL未満のもの。
2 末梢血液中の白血球像で、次のいずれかに該当するもの。
(1)白血球数が1,000個/μL未満のもの。
(2)好中球数が500個/μL未満のもの。
3 末梢血液中の血小板数が2万/μL未満のもの。

 

2.【1級】血栓・止血疾患による障害の場合

●血栓疾患(血栓症)又は止血疾患(出血性疾患)による障害の等級判定においては、血栓疾患についてはB表(検査所見)は用いられない一方、止血疾患については、病態により同表を用いる場合と用いない場合がある(後述参照)。

 

(1)【1級】血栓疾患(血栓症)による障害の場合

例)血栓疾患(血栓症)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ1級参考)。

 ① 血栓疾患の臨床所見(A表Ⅰ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 一般状態区分が「オ」に該当する。

 ③ 治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等に照らし、前記一般状態区分と整合性が認められる。

 

【血栓疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅰ欄抜粋)

表区分 血栓疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅰ 1 高度の血栓傾向又は関節症状のあるもの。

 ※血栓疾患(血栓症)の場合、B表(検査所見)は用いられず、A表(臨床所見)の他、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

(2)【1級】止血疾患(凝固因子欠乏症、インヒビター「有」)による障害の場合

例)止血疾患(凝固因子欠乏症で、インヒビターが出現している状態)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ1級参考)。

 ① 止血疾患の臨床所見(A表Ⅰ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 一般状態区分が「オ」に該当する。

 ③ 治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等に照らし、前記一般状態区分と整合性が認められる。

 

【止血疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅰ欄抜粋)

表区分 止血疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅰ 1 高度の出血傾向又は関節症状のあるもの。
2 補充療法を頻繁に行っているもの。

 ※止血疾患(凝固因子欠乏症で、インヒビターが出現している状態)の場合、B表(検査所見)は用いられず、A表(臨床所見)の他、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

(3)【1級】止血疾患(凝固第Ⅰ因子欠乏症、インヒビター「無」)による障害の場合

例)止血疾患(凝固第Ⅰ因子欠乏症で、インヒビターは認められないもの)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ1級参考)。

 ※「凝固第Ⅰ因子欠乏症」:フィブリノゲン欠乏症。

 ① 止血疾患の臨床所見(A表Ⅰ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 一般状態区分が「オ」に該当する。

 ③ 治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等に照らし、前記一般状態区分と整合性が認められる。

 

【止血疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅰ欄抜粋)

表区分 止血疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅰ 1 高度の出血傾向又は関節症状のあるもの。
2 補充療法を頻繁に行っているもの。

 ※止血疾患(凝固第Ⅰ因子欠乏症で、インヒビターが認められないもの)の場合、B表(検査所見)は用いられず、A表(臨床所見)の他、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

(4)【1級】止血疾患(第Ⅰ凝固因子以外の凝固因子欠乏症、インヒビター「無」)による障害の場合

例)止血疾患(第Ⅰ凝固因子以外の凝固因子欠乏症で、インヒビターは認められないもの)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ1級)。

 ① 止血疾患の臨床所見(A表Ⅰ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 止血疾患の検査所見(B表Ⅰ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ③ 一般状態区分が「オ」に該当する。

 

【止血疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅰ欄抜粋)

表区分 止血疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅰ 1 高度の出血傾向又は関節症状のあるもの。
2 補充療法を頻繁に行っているもの。

 

【止血疾患の検査所見】(第14節2(7)イB表Ⅰ欄抜粋)

表区分 止血疾患の検査所見(B表)
B-Ⅰ 1 APTT又はPTが基準値の3倍以上のもの。
2 血小板数が2万/μL未満のもの。
3 凝固因子活性が1%未満のもの。

 ※「凝固因子活性」:凝固第(Ⅱ・Ⅴ・Ⅶ・Ⅷ・Ⅸ・Ⅹ・ⅩⅠ・ⅩⅢ)因子と、フォンヴィレブランド(vWF)活性因子のうち、最も数値の低い因子が対象とされる(第14節2(7)イB表注1)。

 ※なお、「血栓疾患」、「凝固因子欠乏症でインヒビターが出現している状態」及び「凝固第Ⅰ因子(フィブリノゲン)が欠乏している状態」の場合、B表(検査所見)によらず、A表(臨床所見)、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

3.【1級】白血球系・造血器腫瘍疾患による障害の場合

例)白血球系・造血器腫瘍疾患であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)ウ1級)。

 ① 白血球系・造血器腫瘍疾患の臨床所見(A表Ⅰ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 白血球系・造血器腫瘍疾患の検査所見(B表Ⅰ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ③ 一般状態区分が「オ」に該当する。

 

【白血球系・造血器腫瘍疾患の臨床所見】(第14節2(7)ウA表Ⅰ欄抜粋)

表区分 白血球系・造血器腫瘍疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅰ 1 発熱、骨・関節痛、るい痩、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、易感染性、肝脾腫等の著しいもの。
2 輸血を頻繁に必要とするもの。
3 治療に反応せず進行するもの。

 ※「治療」:疾病に対する治療。輸血等の主要な症状を軽減するための治療(対症療法)は含まない(同表注1)。

 ※「治療」に伴う副作用による障害がある場合、その程度に応じて表区分はA-Ⅱ以上とされる。CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)のグレード2(中等症)以上の程度が参考とされる(同表注2)。

 

【AE(Adverse Event)の重症度】([CTCAE v4.03/MedDRA v12.0(日本語表記:MedDRA/J v20.1)対応 2017 年9月12日]参考)

グレード 説明
グレード1 「軽症」、「症状がないもの、又は軽度の症状があるもの」、「臨床所見又は検査所見のみ認められるもの」又は「治療を要さないもの」。
グレード2 「中等症」、「最小限、局所的若しくは非侵襲的治療を要するもの」又は「年齢相応の身の回り以外の日常生活動作の制限があるもの」。
※「身の回り以外の日常生活動作(instrumental ADL)」:食事の準備、日用品や衣服の買い物、電話の使用、金銭の管理等。
グレード3 「重症若しくは医学的に重大であるが、ただちに生命を脅かすものではないもの」、「入院若しくは入院期間の延長を要するもの」、「活動不能若しくは動作不能なもの」又は「身の回りの日常生活動作の制限があるもの」。
※「身の回りの日常生活動作(self care ADL)」:入浴、着衣・脱衣、食事の摂取、トイレの使用、薬の内服が可能で、寝たきりではない状態。
グレード4 「生命を脅かすもの」又は「緊急処置を要するもの」。
グレード5 「AEによる死亡」。
※「AE(Adverse Event)」:治療や処置に際して観察される、あらゆる好ましくない意図しない徴候(臨床検査値の異常も含む)、症状又は疾患。治療や処置との因果関係は問わない。

 

【白血球系・造血器腫瘍疾患の検査所見】(第14節2(7)ウB表Ⅰ欄抜粋)

表区分 白血球系・造血器腫瘍疾患の検査所見(B表)
B-Ⅰ 1 末梢血液中のヘモグロビン濃度が7.0g/dL以上9.0g/dL未満のもの。
2 末梢血液中の血小板数が2万/μL未満のもの。
3 末梢血液中の正常好中球数が500個/μL未満のもの。
4 末梢血液中の正常リンパ球数が300個/μL未満のもの。

 

【2級】(「血液・造血器疾患による障害」の障害の程度)

<2級相当の血液・造血器疾患による障害>

●「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」すなわち、血液・造血器疾患の障害認定時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活に著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。

 →障害等級2級15号(国年令別表第2級15号、認定基準第3第1章第14節1)

 

1.【2級】赤血球系・造血不全疾患による障害の場合

例)赤血球系・造血不全疾患であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)ア2級)。

 ① 赤血球系・造血不全疾患の臨床所見(A表Ⅱ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 赤血球系・造血不全疾患の検査所見(B表Ⅱ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ③ 一般状態区分が「エ」又は「ウ」に該当する。

 

【赤血球系・造血不全疾患の臨床所見】(第14節2(7)アA表Ⅱ欄抜粋)

表区分 赤血球系・造血不全疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅱ 1 中度の貧血、出血傾向、易感染性を示すもの。
2 輸血を時々必要とするもの。

 

【赤血球系・造血不全疾患の検査所見】(第14節2(7)アB表Ⅱ欄抜粋)

表区分 赤血球系・造血不全疾患の検査所見(B表)
B-Ⅱ 1 末梢血液中の赤血球像で、次のいずれかに該当するもの。
(1)ヘモグロビン濃度が7.0g/dL以上9.0g/dL未満のもの。
(2)網赤血球数が2万/μL以上6万/μL未満のもの。
2 末梢血液中の白血球像で、次のいずれかに該当するもの。
(1)白血球数が1,000個/μL以上2,000個/μL未満のもの。
(2)好中球数が500個/μL以上1,000個/μL未満のもの。
3 末梢血液中の血小板数が2万/μL以上5万/μL未満のもの。

 

2.【2級】血栓・止血疾患による障害の場合

(1)【2級】血栓疾患(血栓症)による障害の場合

例)血栓疾患(血栓症)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ2級参考)。

 ① 血栓疾患の臨床所見(A表Ⅱ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 一般状態区分が「エ」又は「ウ」に該当する。

 ③ 治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等に照らし、前記一般状態区分と整合性が認められる。

 

【血栓疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅱ欄抜粋)

表区分 血栓疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅱ 1 中度の血栓傾向又は関節症状のあるもの。

 ※血栓疾患(血栓症)の場合、B表(検査所見)は用いられず、A表(臨床所見)の他、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

(2)【2級】止血疾患(凝固因子欠乏症、インヒビター「有」)による障害の場合

例)止血疾患(凝固因子欠乏症で、インヒビターが出現している状態)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ2級参考)。

 ① 止血疾患の臨床所見(A表Ⅱ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 一般状態区分が「エ」又は「ウ」に該当する。

 ③ 治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等に照らし、前記一般状態区分と整合性が認められる。

 

【止血疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅱ欄抜粋)

表区分 止血疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅱ 1 中度の出血傾向又は関節症状のあるもの。
2 補充療法を時々行っているもの。

 ※止血疾患(凝固因子欠乏症で、インヒビターが出現している状態)の場合、B表(検査所見)は用いられず、A表(臨床所見)の他、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

(3)【2級】止血疾患(凝固第Ⅰ因子欠乏症、インヒビター「無」)による障害の場合

例)止血疾患(凝固第Ⅰ因子欠乏症で、インヒビターは認められないもの)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ2級参考)。

 ※「凝固第Ⅰ因子欠乏症」:フィブリノゲン欠乏症。

 ① 止血疾患の臨床所見(A表Ⅱ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 一般状態区分が「エ」又は「ウ」に該当する。

 ③ 治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等に照らし、前記一般状態区分と整合性が認められる。

 

【止血疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅱ欄抜粋)

表区分 止血疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅱ 1 中度の出血傾向又は関節症状のあるもの。
2 補充療法を時々行っているもの。

 ※止血疾患(凝固第Ⅰ因子欠乏症で、インヒビターが認められないもの)の場合、B表(検査所見)は用いられず、A表(臨床所見)の他、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

(4)【2級】止血疾患(第Ⅰ凝固因子以外の凝固因子欠乏症、インヒビター「無」)による障害の場合

例)止血疾患(第Ⅰ凝固因子以外の凝固因子欠乏症で、インヒビターは認められないもの)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ2級)。

 ① 止血疾患の臨床所見(A表Ⅱ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 止血疾患の検査所見(B表Ⅱ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ③ 一般状態区分が「エ」又は「ウ」に該当する。

 

【止血疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅱ欄抜粋)

表区分 止血疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅱ 1 中度の出血傾向又は関節症状のあるもの。
2 補充療法を時々行っているもの。

 

【止血疾患の検査所見】(第14節2(7)イB表Ⅱ欄抜粋)

表区分 止血疾患の検査所見(B表)
B-Ⅱ 1 APTT又はPTが基準値の2倍以上3倍未満のもの。
2 血小板数が2万/μL以上5万/μL未満のもの。
3 凝固因子活性が1%以上5%未満のもの。

 ※「凝固因子活性」:凝固第(Ⅱ・Ⅴ・Ⅶ・Ⅷ・Ⅸ・Ⅹ・ⅩⅠ・ⅩⅢ)因子と、フォンヴィレブランド(vWF)活性因子のうち、最も数値の低い因子が対象とされる(第14節2(7)イB表注1)。

 ※なお、「血栓疾患」、「凝固因子欠乏症でインヒビターが出現している状態」及び「凝固第Ⅰ因子(フィブリノゲン)が欠乏している状態」の場合、B表(検査所見)によらず、A表(臨床所見)、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

3.【2級】白血球系・造血器腫瘍疾患による障害の場合

例)白血球系・造血器腫瘍疾患であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)ウ2級)。

 ① 白血球系・造血器腫瘍疾患の臨床所見(A表Ⅱ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 白血球系・造血器腫瘍疾患の検査所見(B表Ⅱ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ③ 一般状態区分が「エ」又は「ウ」に該当する。

 

【白血球系・造血器腫瘍疾患の臨床所見】(第14節2(7)ウA表Ⅱ欄抜粋)

表区分 白血球系・造血器腫瘍疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅱ 1 発熱、骨・関節痛、るい痩、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、易感染性、肝脾腫等のあるもの。
2 輸血を時々必要とするもの。
3 継続的な治療が必要なもの。

 ※「治療」:疾病に対する治療。輸血等の主要な症状を軽減するための治療(対症療法)は含まない(同表注1)。

 ※「治療」に伴う副作用による障害がある場合、その程度に応じて表区分はA-Ⅱ以上とされる。CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)のグレード2以上の程度が参考とされる(同表注2)。

 

【白血球系・造血器腫瘍疾患の検査所見】(第14節2(7)ウB表Ⅱ欄抜粋)

表区分 白血球系・造血器腫瘍疾患の検査所見(B表)
B-Ⅱ 1 末梢血液中のヘモグロビン濃度が7.0g/dL以上9.0g/dL未満のもの。
2 末梢血液中の血小板数が2万/μL以上5万/μL未満のもの。
3 末梢血液中の正常好中球数が500個/μL以上1,000個/μL未満のもの。
4 末梢血液中の正常リンパ球数が300個/μL以上600個/μL未満のもの。

 

【3級】(「血液・造血器疾患による障害」の障害の程度)

<3級相当の血液・造血器疾患による障害>

●「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの」すなわち、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの。

 →障害等級3級14号(厚年令別表第1第14号、認定基準第3第1章第14節1)

 

1.【3級】赤血球系・造血不全疾患による障害の場合

例)赤血球系・造血不全疾患であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)ア3級)。

 ① 赤血球系・造血不全疾患の臨床所見(A表Ⅲ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 赤血球系・造血不全疾患の検査所見(B表Ⅲ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ③ 一般状態区分が「ウ」又は「イ」に該当する。

 

【赤血球系・造血不全疾患の臨床所見】(第14節2(7)アA表Ⅲ欄抜粋)

表区分 赤血球系・造血不全疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅲ 1 軽度の貧血、出血傾向、易感染性を示すもの。
2 輸血を必要に応じて行うもの。

 

【赤血球系・造血不全疾患の検査所見】(第14節2(7)アB表Ⅲ欄抜粋)

表区分 赤血球系・造血不全疾患の検査所見(B表)
B-Ⅲ 1 末梢血液中の赤血球像で、次のいずれかに該当するもの。
(1)ヘモグロビン濃度が9.0g/dL以上10.0g/dL未満のもの。
(2)網赤血球数が6万/μL以上10万/μL未満のもの。
2 末梢血液中の白血球像で、次のいずれかに該当するもの。
(1)白血球数が2,000個/μL以上3,300個/μL未満のもの。
(2)好中球数が1,000個/μL以上2,000個/μL未満のもの。
3 末梢血液中の血小板数が5万/μL以上10万/μL未満のもの。

 

2.【3級】血栓・止血疾患による障害の場合

(1)【3級】血栓疾患(血栓症)による障害の場合

例)血栓疾患(血栓症)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ3級参考)。

 ① 血栓疾患の臨床所見(A表Ⅲ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 一般状態区分が「ウ」又は「イ」に該当する。

 ③ 治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等に照らし、前記一般状態区分と整合性が認められる。

 

【血栓疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅲ欄抜粋)

表区分 血栓疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅲ 1 軽度の血栓傾向又は関節症状のあるもの。

 ※血栓疾患(血栓症)の場合、B表(検査所見)は用いられず、A表(臨床所見)の他、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

(2)【3級】止血疾患(凝固因子欠乏症、インヒビター「有」)による障害の場合

例)止血疾患(凝固因子欠乏症で、インヒビターが出現している状態)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ3級参考)。

 ① 止血疾患の臨床所見(A表Ⅲ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 一般状態区分が「ウ」又は「イ」に該当する。

 ③ 治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等に照らし、前記一般状態区分と整合性が認められる。

 

【止血疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅲ欄抜粋)

表区分 止血疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅲ 1 軽度の出血傾向又は関節症状のあるもの。
2 補充療法を必要に応じ行っているもの。

 ※止血疾患(凝固因子欠乏症で、インヒビターが出現している状態)の場合、B表(検査所見)は用いられず、A表(臨床所見)の他、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

(3)【3級】止血疾患(凝固第Ⅰ因子欠乏症、インヒビター「無」)による障害の場合

例)止血疾患(凝固第Ⅰ因子欠乏症で、インヒビターは認められないもの)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ3級参考)。

 ① 止血疾患の臨床所見(A表Ⅲ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 一般状態区分が「ウ」又は「イ」に該当する。

 ③ 治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等に照らし、前記一般状態区分と整合性が認められる。

 

【止血疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅲ欄抜粋)

表区分 止血疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅲ 1 軽度の出血傾向又は関節症状のあるもの。
2 補充療法を必要に応じ行っているもの。

 ※止血疾患(凝固第Ⅰ因子欠乏症で、インヒビターが認められないもの)の場合、B表(検査所見)は用いられず、A表(臨床所見)の他、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

(4)【3級】止血疾患(第Ⅰ凝固因子以外の凝固因子欠乏症、インヒビター「無」)による障害の場合

例)止血疾患(第Ⅰ凝固因子以外の凝固因子欠乏症で、インヒビターは認められないもの)であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)イ3級)。

 ① 止血疾患の臨床所見(A表Ⅲ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 止血疾患の検査所見(B表Ⅲ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ③ 一般状態区分が「ウ」又は「イ」に該当する。

 

【止血疾患の臨床所見】(第14節2(7)イA表Ⅲ欄抜粋)

表区分 止血疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅲ 1 軽度の出血傾向又は関節症状のあるもの。
2 補充療法を必要に応じ行っているもの。

 

【止血疾患の検査所見】(第14節2(7)イB表Ⅲ欄抜粋)

表区分 止血疾患の検査所見(B表)
B-Ⅲ 1 APTT又はPTが基準値の1.5倍以上2倍未満のもの。
2 血小板数が5万/μL以上10万/μL未満のもの。
3 凝固因子活性が5%以上40%未満のもの。

 ※「凝固因子活性」:凝固第(Ⅱ・Ⅴ・Ⅶ・Ⅷ・Ⅸ・Ⅹ・ⅩⅠ・ⅩⅢ)因子と、フォンヴィレブランド(vWF)活性因子のうち、最も数値の低い因子が対象とされる(第14節2(7)イB表注1)。

 ※なお、「血栓疾患」、「凝固因子欠乏症でインヒビターが出現している状態」及び「凝固第Ⅰ因子(フィブリノゲン)が欠乏している状態」の場合、B表(検査所見)によらず、A表(臨床所見)、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等が十分考慮され、総合的に認定される(第14節2(7)イB表注2)。

 

3.【3級】白血球系・造血器腫瘍疾患による障害の場合

例1)白血球系・造血器腫瘍疾患であって、次の3つの全てに該当するもの(第14節2(7)ウ3級)。

 ① 白血球系・造血器腫瘍疾患の臨床所見(A表Ⅲ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ⓶ 白血球系・造血器腫瘍疾患の検査所見(B表Ⅲ欄)に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見がある。

 ③ 一般状態区分が「ウ」又は「イ」に該当する。

 

【白血球系・造血器腫瘍疾患の臨床所見】(第14節2(7)ウA表Ⅲ欄抜粋)

表区分 白血球系・造血器腫瘍疾患の臨床所見(A表)
A-Ⅲ 継続的ではないが治療が必要なもの。

 ※「治療」:疾病に対する治療。輸血等の主要な症状を軽減するための治療(対症療法)は含まない(同表注1)。

 ※「治療」に伴う副作用による障害がある場合、その程度に応じて表区分はA-Ⅱ以上とされる。CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)のグレード2以上の程度が参考とされる(同表注2)。

 

【白血球系・造血器腫瘍疾患の検査所見】(第14節2(7)ウB表Ⅲ欄抜粋)

表区分 白血球系・造血器腫瘍疾患の検査所見(B表)
B-Ⅲ 1 末梢血のヘモグロビン濃度が9.0g/dL以上10.0g/dL未満のもの。
2 末梢血液中の血小板数が5万/μL以上10万/μL未満のもの。
3 末梢血液中の正常好中球数が1,000個/μL以上2,000個/μL未満のもの。
4 末梢血液中の正常リンパ球数が600個/μL以上1,000個/μL未満のもの。