障害状態要件(腎機能障害)

12.「腎機能障害」の障害状態要件

 

※上記画像と本文の内容は無関係です。

 

【目次】

12.「腎機能障害」の障害状態要件

 

【注1】以下、根拠条文等について、次のように略記する場合があります。

・「節」は「障害認定基準」、「欄」は「診断書」を指すものとします。

 例1)「認定基準第3第1章第12節」→「第12節」

 例2)「腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用の診断書(様式120号の6-(2))第12欄」→「第12欄」

  ※腎疾患の診断書は、障害及びその原因疾患を最も的確に表わすため、前記様式を用います。

  ※複数の障害が併存する重複障害で請求する場合、様式の異なる複数の診断書を用いる場合があります。

  →診断書の様式が異なる場合、同種の記載欄の番号が本頁記載のものとは異なる場合があります。

【注2】本頁の例示は、認定基準の例示及び公開情報から推察し構築したものも含む場合があります。

 ※「公開情報」:障害年金の認定に関する専門家会合の議事録等。

 

12:「腎機能障害」の障害状態要件

■腎機能障害の原因となった請求傷病(腎疾患)による障害の状態が、障害認定時期に政令別表に定める障害の程度に該当するものであること(国年令別表、厚年令別表第1、認定基準第3第1章第12節1)。

 

※「請求傷病」:腎機能障害の原因傷病(腎疾患)。

※「腎疾患」:慢性腎不全に陥った慢性腎疾患の他、腎障害を伴う全身性疾患も含む。

※「慢性腎不全」:慢性腎疾患による腎機能障害が持続的に徐々に進行し、生体が正常に機能できなくなった状態。

<慢性腎疾患>

 例1)慢性腎炎(ネフローゼ症候群を含む。)

  例1-1)ネフローゼ症候群:高尿蛋白量及び低アルブミン血症が必須所見、浮腫は重要所見とされるもの。

  例1-2)慢性糸球体腎炎

 例2)腎硬化症

 例3)嚢胞腎

 例4)腎盂腎炎

 例5)慢性腎不全

<腎障害を伴う全身性疾患>

 例6)糖尿病性腎症

 例7)膠原病

 例8)痛風腎

 例9)アミロイドーシス

※「障害認定時期」:次の場合を除き、原則に従う(認定基準第2の2)。

 <人工透析療法施行中の場合(第12節2(7)イ)>

 →透析を初めて受けた日から起算して3月を経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)。

 

なお、初診日の特定に影響がある傷病間の相当因果関係の有無の判断において、糸球体腎炎(ネフローゼを含む。)、腎硬化症、多発性嚢胞腎、腎盂腎炎に罹患し、その後慢性腎不全を生じたものは、両者の期間が長いものであっても、相当因果関係が是認される(第12節2(9))。

 

●腎疾患による腎機能障害の障害状態要件は、次の腎疾患に関わる共通事項を考慮して総合的に判断される。

 

Ⅰ.腎疾患に関わる共通事項

1.臨床所見(第12欄1)

(1)自覚症状

 ①「悪心・嘔吐」の有無(無・有・著)

 ⓶「食欲不振」の有無(無・有・著)

 ③「頭痛」の有無(無・有・著)

 ④「呼吸困難」の有無(無・有・著)

(2)他覚所見

 ①「浮腫」の有無(無・有・著)

 ⓶「貧血」」の有無(無・有・著)

 ③「アシドーシス」の有無(無・有・著)

 ④「腎不全に基づく神経症状」の有無(無・有・著)

  例1)意識障害(せん妄、傾眠、昏睡等)。

  例2)不眠

  例3)痙攣

 ⑤「腎不全に基づく視力障害」の有無(無・有・著)

  例1)網膜症

  例2)角膜症

(3)検査成績

 ・検査には、次のようなものがある(第12節2(3))。

  例1)尿検査

  例2)血球算定検査

  例3)血液生化学検査(血清尿素窒素、血清クレアチニン、血清電解質等)

  例4)動脈血ガス分析

  例5)腎生検

 ・検査値は、過去6ヶ月内で少なくとも2回分以上が必要である(記入上の注意)。

 ・人工透析療法を実施中の場合、当該療法導入後かつ毎回透析実施前の検査値でなければならない(同前)。

 ・検査値は、腎疾患の経過中、最も適切に病状を表わしていると思われるものが重視される(第12節2(10))。

 ①「1日尿蛋白量」(単位:g/日)

  →異常:3.5以上を持続する場合(第12節2(4)⓶区分ア)。故に体位性や間欠的なものは除かれる。

 ②「尿蛋白/尿クレアチニン比」(単位:g/gCr)

  →異常:3.5以上を持続する場合(第12節2(4)⓶区分ア)。故に体位性や間欠的なものは除かれる。 

 ③「尿蛋白(定性)」

  ・基準値:(−)

 ④「赤血球数」(単位:万/μL)

 ⑤「ヘモグロビン」(単位:g/dL )

 ⑥「白血球数」(単位:/μL)

 ⑦「血小版数(PLT)」(単位:万/μL)

  ・PLTは、腎疾患及び合併症(肝疾患)で考慮される検査項目である。

 ⑧「血清総蛋白(TP)」(単位:g/dL)

  ・TPは、腎疾患及び合併症(肝疾患)で考慮される検査項目である。

  ・TPは、施設基準等の違いに拘らず、異常の判断結果が概ね同じになると考えられる。

   例1)基準値(方法不明、単位:g/dL):6.8~8.5(旧認定基準、平成14年)。

    →異常(ネフローゼ症候群の疑い):6.0g以下(第12節2(4)区分ウ)。

   例2)基準値(JCCLS法、単位:g/dL):6.6~8.1(国立がん研究センター、2016年)。

 ⑨「血清アルブミン」(単位:g/dL)及び測定方法(BCG法・BCP法・改良型BCP法)

  →異常(BCG法、単位:g/dL):3.0以下(第12節2(4)区分イ)。

 ⑩「総コレステロール(TC)」(単位:mg/dL)

  ・TCは、腎疾患及び合併症(肝疾患)で考慮される検査項目である。

  ・TCは、施設基準等の違いに拘らず、異常の判断結果が概ね同じになると考えられる。

   例1)基準値(JCCLS法、単位:mg/dL):142~248(国立がん研究センター、2016年)。

   例2)基準値(方法不明、単位:mg/dL):130~220(旧認定基準、平成14年)。

 ⑪「血液尿素窒素」(BUN)(単位:mg/dL)

  ・例1)基準値(単位:mg/dL):8~20(国立がん研究センター、2016年)。

  ・例2)基準値(単位:mg/dL):7~20(旧認定基準、平成14年)。

 ⑫「血清クレアチニン(Cr)」(単位:mg/dL)

  →異常(慢性腎不全):軽度異常(3以上5未満)、中等度異常(5以上8未満)、高度異常(8以上)。

  ・血清クレアチニンの異常は、軽度、中等度又は高度の3段階で考慮される(第12節2(4)①区分イ)。  

  ・血清クレアチニンの異常は、eGFRの異常(軽度異常又は中等度異常)と代替可能(同①(注))。

 ⑬「eGFR」(単位:mL/分/1.73m²):推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate)。

  ・eGFRは、腎機能の指標(GFR:糸球体濾過量)を推算する簡便法である。

  ・eGFRは、血清クレアチニン、年齢及び性別に基づいて、次の計算式により算出される。

   <eGFRの計算式(厚生労働省)>

    [男性]eGFR(mL/分/1.73m²)= 194 × Cr^-1.094 × 年齢^-0.287

    [女性]eGFR(mL/分/1.73m²)= 194 × Cr^-1.094 × 年齢^-0.287 × 0.739

    ※「Cr」:血清クレアチニン(単位:mg/dL)。

  ・eGFRは、血清クレアチニンよりも適切に腎機能の状態を表わす指標である。 

  ・eGFRの異常は、血清クレアチニンの異常と代替することができる(第12節(4)①(注))。

  ・eGFRの異常は、次の2段階(軽度又は中等度)で考慮される(同前)。

   →異常(慢性腎不全):軽度異常(10以上20未満)、中等度異常(10未満)。

 ⑭「1日尿量」(単位:mL/日)

 ⑮「内因性クレアチニン・クリアランス(CCr)」(単位:mL/分):腎機能の指標(GFR)の近似指標。

  ・CCrは、腎機能について、eGFR(推算糸球体濾過量)よりも適切に状態を表わす指標である。

  ・CCrの異常は、次の3段階で考慮される(第12節2(4)①区分ア)。

   →異常(慢性腎不全):軽度異常(20以上30未満)、中等度異常(10以上20未満)、高度異常(10未満)。

 ⑯「動脈血(HCO₃⁻)」(単位:mEq/L):重炭酸イオン(1価の陰イオン)。

  ・1価の陰イオンでは「1mEq/L=1mmol/L」なので、検査値(単位:mmol/L)をそのまま考慮できる。

  例)基準値(単位:mmol/L)20.0~26.0(国立がん研究センター、2016年)。

 

2.腎生検の有無等(第12欄2)

 ・腎生検が「有」の場合、検査年月日及び当該所見も考慮される。

 ・腎生検が「有」、すなわち腎生検の適応がある、つまり次の5つのいずれかの状態か推察できる。

 ① 血尿(尿潜血)の持続→慢性腎炎の疑い。

 ⓶ 1日0.3〜0.5g以上の蛋白尿の持続。

 ③ 大量の蛋白尿や浮腫(ネフローゼ症候群等)が認められる。

 ④ 急速進行性腎炎の疑い。

 ⑤ 腎臓の萎縮がない原因不明の腎不全。

 

3.人工透析療法(第12欄3、「記入上の注意」)

(1)人工透析療法の実施の有無等

 ・人工透析療法の実施が「有」の場合、その実施した全ての方法(血液透析・腹膜透析・血液濾過)も考慮される。

 ①「血液透析(HD:hemodialysis)」:半透膜を介して血液と透析液を接触させる血液浄化方法。

  ・通常週3回(1回4時間)程度受ける必要がある。

  ・HDの物質除去能力は、腎臓と比べて小分子量物質では優れ、中~大分子量物質では劣る。

 ②「腹膜透析(PD:peritoneal dialysis)」:体内の腹膜を介して血液と透析液を接触させる血液浄化方法。

  ・前提として、透析液を交換するためのカテーテル留置術を受ける必要があり、次の2つの方法がある。

  ⅰ)自動腹膜透析(APD:automated peritoneal dialysis):就寝中に機械で自動的に透析する方法。

   a)夜間間欠式腹膜透析(NIPD:nocturnal intermittent peritoneal dialysis)

    ・自動腹膜透析装置(サイクラー)を用いて夜間のみ透析液交換(3~6回)を行う方法。

   b)持続周期的腹膜透析(CCPD:continuous cycling peritoneal dialysis)

    ・NIPDに、日中の透析液貯留を加えた方法。

  ⅱ)持続携行式腹膜透析(CAPD:continuous ambulatory peritoneal dialysis)

   ・通常1日4回(1回20~30分程度要する)透析液交換を手動で行い、24時間持続的に透析する方法。

 ③「血液濾過(HF:hemofiltration)」:透析液を使わず圧力をかけて血液を濾過する方法。

  ・HFの物質除去能力は、腎臓より全般的に劣るが、特性が似ている。

  ・なお、血液濾過透析(HDF:hemodiafiltration)は、濾過の原理が中心のため、HFの範疇に入ると考える。

   ※「血液濾過透析」:血液浄化器(ヘモダイアフィルタ)と置換液を使い、HDとHFの長所を生かすもの。

    ・置換液の注入場所(希釈部位)の違いにより、次の3つに分類される。

    ⅰ)前希釈法(Pre:pre-dilution):血液浄化器の通過前に置換液を注入する。

    ⅱ)後希釈法(Post:post dilution):血液浄化器の通過後に置換液を注入する。

    ⅲ)前後同時希釈法(P&P:pre&post dilution):血液浄化器の通過前後に置換液を注入する。

(2)人工透析開始日:実施した全ての人工透析療法(血液透析・腹膜透析・血液濾過)のうち、最初に実施した日。

(3)人工透析(腹膜透析を除く)実施状況

 ・週当たり回数及び1回当たり時間が考慮される。

 ※「腹膜透析を除く」:実施回数や時間の点で血液透析や血液濾過と同列に比較できない在宅療法を除く趣旨。

(4)人工透析導入後の臨床経過

(5)長期透析による合併症の有無等

 ・長期透析による合併症が「有」の場合、当該所見も考慮される。

 ◇長期透析による合併症

  例1)動脈硬化:尿毒素、Ca・P代謝異常、体液量の増加等→動脈硬化。

  例2)貧血:造血ホルモンであるエリスロポエチン(EPO)の産生障害→貧血。

  例3)心不全:尿毒症→心筋障害・高血圧→心不全。

  例4)骨病変:Ca・P代謝障害→二次性副甲状腺機能亢進症→線維性骨炎。

  例5)アミロイドーシス:アミロイド線維(異常蛋白質)が骨関節組織に沈着し、痛みや痺れがある。

   →手根管症候群・ばね指・肩関節症・手関節痛・肘部管症候群。

  例6)感染症:免疫力低下→肺炎・肝炎・尿路感染・結核等。

 

4.その他の所見(第12欄4)

(1)腎移植の有無、移植年月日及び経過

 ・腎移植の術後の症状、治療経過、検査成績及び予後等を十分考慮し総合認定される(第12節2(11)ア)。

 ・障害年金受給者が腎移植を受けた場合、術後1年間は従前の等級が維持される(同イ)。

(2)その他

 

5.合併症

(1)腎性網膜症を伴う場合

(2)糖尿病を伴う場合

 

6.一般状態(一般状態区分表)(第11欄)

 ・次の一般状態区分表の区分は、腎疾患に共通する必須の考慮要素である。

 

【一般状態区分表】

区分 一般状態
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
例えば、軽い家事、事務など
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

 

7.治療及び病状の経過(第9欄)

 ・現在までの治療内容及び病状の経過等が考慮される(第9欄)。

(1)現在までの治療の内容

(2)治療の期間

(3)病状の経過

 ・腎疾患の経過中、最も適切に病状を表わしていると思われる検査項目の特定等で考慮される(第12節(8))。

(4)診療回数

 ・現症日前1年間における診療回数が考慮される。

 ・入院した場合、入院日数1日は診療回数1回として計算する。

(5)手術歴(手術名及び手術年月日)

(6)その他参考となる事項

 

8.現症時の具体的な日常生活活動能力及び労働能力(第16欄)

 ・現症時の具体的な日常生活活動(ADL)能力及び労働能力は、必ず把握され、考慮される(同欄朱書)。

 ・客観的所見に基づくADL能力及び労働能力は、十分考慮される。

 

9.予後(第17欄)

 ・予後は、必須記載事項として考慮される(同欄朱書)。

  例1)不良:病状の進行の見通し。

  例2)術後予後:腎移植等を施行した場合。

  例3)生命予後:余命記載があるもの。

  例4)不詳:予後が診断時に判断できない場合。

 

10.備考(第18欄)

 ・障害認定時期や等級判定に影響を及ぼしうる特記事項の記入が要求される場合がある。

 

 

【1級】(「腎機能障害」の障害の程度)

<1級相当の腎疾患による腎機能障害>

●「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの」すなわち、腎疾患の障害認定時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。

 →障害等級1級9号(国年令別表1級9号、認定基準第3第1章第12節1)

 例)次の①及び②に該当するもの(第12節2(6)1級例)。

 ① 検査成績(慢性腎不全に係る異常値)が高度異常を1つ以上示す。

  例1)内因性クレアチニン・クリアランス(単位:㎖/分)が異常の場合(同(4)①区分ア)。

   →異常:高度異常(10未満)。

  例2)血清クレアチニン(単位:mg/㎗)が異常の場合(同イ)。

   →異常:高度異常(8以上)。

 ② 一般状態区分が「オ」に該当する(一般状態区分表)。

 

【2級】(「腎機能障害」の障害の程度)

<2級相当の腎疾患による腎機能障害>

●「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」すなわち、腎疾患の障害認定時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活に著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。

 →障害等級2級15号(国年令別表第2級15号、認定基準第3第1章第12節1)

 例1)次の①及び②に該当するもの(第12節2(6)2級例1)。

  ① 検査成績(慢性腎不全に係る異常値)が中等度異常又は高度異常を1つ以上を示す。

   例1-1)内因性クレアチニン・クリアランス(単位:㎖/分)が異常の場合(第12節2(4)①区分ア)。

    →異常:中等度異常(10以上20未満)、高度異常(10未満)。    

   例1-2)血清クレアチニン(単位:mg/㎗)が異常の場合(同①区分イ)。

    →異常:中等度異常(5以上8未満)、高度異常(8以上)。

   例1-3)eGFR(推算糸球体濾過量)(単位:㎖/分/1.73㎡)が異常の場合(同①(注))。

    →異常:中等度異常(10未満)。

  ② 一般状態区分が「エ」又は「ウ」に該当する(一般状態区分表)。

 例2)人工透析療法施行中のもの(第12節2(6)2級例2)。

  ・人工透析療法施行中であれば足り、その施行方法(血液透析・腹膜透析・血液濾過)の別は問われない。

  ・主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、具体的な日常生活状況等次第で1級認定も有り得る。

 

【3級】(「腎機能障害」の障害の程度)

<3級相当の腎疾患による腎機能障害>

●「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの」すなわち、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの。

 →障害等級3級14号(厚年令別表第1第14号、認定基準第3第1章第12節1)

 例1)次の①及び②に該当するもの(第12節2(6)3級例1)。

  ① 検査成績(慢性腎不全に係る異常値)が軽度異常、中等度異常又は高度異常を1つ以上示す。

   例1-1)内因性クレアチニン・クリアランス(単位:㎖/分)が異常の場合(第12節2(4)①区分ア)。

    →異常:軽度異常(20以上30未満)、中等度異常(10以上20未満)、高度異常(10未満)。

   例1-2)血清クレアチニン(単位:mg/㎗)が異常の場合(同①区分イ)。

    →異常:軽度異常(3以上5未満)、中等度異常(5以上8未満)、高度異常(8以上)。

   例1-3)eGFR(推算糸球体濾過量)(単位:㎖/分/1.73㎡)が異常の場合(同①(注))。

    →異常:軽度異常(10以上20未満)、中等度異常(10未満)。

  ② 一般状態区分が「ウ」又は「イ」に該当する(一般状態区分表)。

 例2)次の①及び②に該当するもの(第12節2(6)3級例2)。

  ① 検査成績(ネフローゼ症候群に係る異常値)のうち、ア及びイが異常、又はア及びウが異常を示す。

   ※「ア」:尿蛋白量が次のいずれかに該当するもの。

    ⅰ)1日尿蛋白量(単位:g/日)が3.5以上を持続する(同(4)⓶区分ア)。

    ⅱ)尿蛋白/尿クレアチニン比(単位:g/gCr)が3.5以上を持続する(同ア)。 

   ※「イ」:血清アルブミン(BCR法、単位:g/㎗)が3.0以下のもの(同イ)。

   ※「ウ」:血清総蛋白(単位:g/㎗)が6.0以下(同ウ)のもの。

  ⓶ 一般状態区分が「ウ」又は「イ」に該当する(一般状態区分表)。

なお、上記労働の制限の程度が「著しい」ものである場合、障害等級3級12号の認定も有り得ると考える。

その場合、併合判定時にあっては、併合判定参考表3級7号の8で取り扱われることも有り得ることになる。